2015年8月26日水曜日

「人間の分際」と宿曜経

 おはようございます。
台風15号が接近し、上陸するに伴い、雨風は強まり、早朝には、すざましいほどの風の音が、悪魔が獲物を探し求めているかの如く、叫び狂っている。憂鬱な気分になるのが、人間というものである。

外を見ると木々がなぎ倒されて無残な光景をさらしている。自然界では人間はなんと無力な存在なのだろうか。しかしそれすら忘れ、自然界を人間が支配し、自然界の生きとし生けるもののいのちを無碍に扱っているのは傲慢のそしりを免れないであろう。

その台風のさなか、私は曽野綾子さんの「人間の分際」(幻冬舎新書)を読んでいたのであります。


人間のいのちを120年にしようと神がおっしゃったと聖書に書いているが、120歳まで生き延びた人はほとんどいない。誰しもひとは何のために生まれ、何のために生きているのだろうかと人生のなかで一度は考えるでしょう。

世界でもっとも読まれている聖書には、イエス・キリストの誕生物語が描かれています。イエス誕生を星によって導かれた東方の三博士がラクダに乗って現れるシーンがありますが、彼らはいわゆる占星術師なのです。いまでいえば天文学者です。

どうして、星を見てイエス・キリストの誕生がわかったのでしょうか。

釈迦牟尼仏のときも、母であるマーヤー夫人に夢告が与えられ、高名なアシタ仙人や占星術に精通したバラモンたちが予期したように、シッダールタ(目的を達する人・仏陀)としてお生まれになったのです。

では、偉大なる救い主となるイエスやすべてを悟った大いなる覚醒者ブッダのみが使命を与えられて命を授かったのでしょうか。

わたしは永年、聖書や仏典とりわけ「文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」を研究するにつれ、すべての人が目的をもって命を授かってこの世に生を受けていると確信するようになりました。


たとえば、「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹氏は芸人ですが、宿曜経の二十八宿では虚宿と言って、著作活動に向いている人なのです。彼が死に物狂いで努力したとは思えないですが、やはり読書が好きで二千冊余り読んでそうです。

しかし、残念ながら自分がどのような性質(性格)をおび、どのような能力を携えて生まれてきたかを知らないがために、充実した人生を送ることができない人がいるばかりか、犯罪にまで手を染める愚か者もいるのです。

もし、自分の性質や能力を知ることができたら、それを最大限発揮して人生の目的を達することができるでしょう。あなたにしかない目的、生きる道です。それは尊いものです。そのことを知っていると、他人との競争ではなく、分をわきまえた生き方、分相応の生き方、身の程を知った生きができるのです。つまりそのようにして心に描いた夢は必ず実現するのです。それを成功(目的・目標を達成した姿)したというのです。

人間界において、努力したからと言って、誰もが総理大臣になったり、ノーベル賞をいただく学者になったり、オリンピックに出れるアスリートになることはできないのです。しかし、それぞれにふさわしい能力が与えられ、人生を豊かに過ごすことができるとしたら、それは高名な学者にも、名経営者にも、世界的なアスリートにも匹敵すると思うのです。それを分際、つまり分相応、あるいは身の程を知るというのです。

でも、自分が何者かわからずに生きていたら、人生の目的も見えてこないし、使命感も沸いて来ないでしょう。それを的確に啓示しものこそ智慧の仏である文殊師利菩薩の宿曜経なのです。


皆様の人生が楽しく、実り豊かなものでありますようにお祈りします。南~無 合掌 得温禅月。あなたは何者であり、あなたがどんな性質、能力を持って生まれてきたかを知りたい方はメールにてお問い合わせ下さい。beppu1717@gmail.com





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