2013年10月31日木曜日

仏道を歩くⅡ~毎日が初心、一生が初心、一生懸命に生きる~

 おはようございます。
朝、目覚めて今日も無事に起きることができたことに感謝する年齢にさしかかりました。昨日は、創価学会の九州池田記念墓地公園に、天瀬ロングトレイルのお立ち寄り先として、佐藤所長さんに、ご挨拶とお願いに、日田観光協会天瀬支部の大庭支部長さんとお伺いしました。

佐藤所長さんのお人柄に触れ、また天ヶ瀬活性化の妙案をお聴きすることができました。感謝です。九州池田記念墓地公園は、天ヶ瀬湯山の台地の、風光明媚で霊験あらたなるところにあり、現在約3万5千墓あり、それぞれの人生を一生懸命に生きてきた多くの方がお眠りになっています。全部で約4万5千墓になるそうです。施設を1周するのに、約45分間ほどかかります。レストランや記念講堂などもあります。



年間約22万人の方が、お墓参りや法事などのために九州各地から来るそうです。私のような創価学会員ではない人も気軽にお寄りくださいと言っていただきました。感謝です。宗派は別にして行ってみる価値があります。

私が仏教に目覚めた恩師の中に、松原泰道老師がおられます。ウィキペディアによりますと、

「松原 泰道(まつばら たいどう、1907年11月23日 - 2009年7月29日)は、日本臨済宗僧侶東京都港区龍源寺住職
東京府生まれ。早稲田大学文学部卒。岐阜県瑞龍寺で修行したのち、臨済宗妙心寺派教学部長を務める。
1972年出版の「般若心経入門」(祥伝社刊)は記録的ベストセラーとなり、第一次仏教書ブームのきっかけを作った。1989年仏教伝道文化賞受賞。1999年禅文化賞受賞。著書は百冊を超える。
宗派を超えた仏教者の集い「南無の会」前会長。南無の会は1984年に正力松太郎賞を受賞した。
2009年、肺炎のため101歳で死去。」

松原泰道老師の「きょうの杖言葉一日一言」(海竜社)を毎朝読むのが、日課です。今日の10月31日は「陽(日)のくれぬうち」でした。

「日暮れて途(みち)遠し」(老年になっても、まだ目的がはたせないことのたとえ)と、中国の古い歴史書に見えます。私も同じ思いがしますが、人生は途中で終わるの定例です。淋しく受け取る前に「日暮れ」のすばらしい美しさを究めようではありませんか。・・・年齢のいかんに問わず、「今を大事に生きていく」に吸収されます。すなわち「陽(日)のくれぬうち」の一本の杖言葉に織り込めます。」


いくつになっても毎日が初心で、一生を初心の気持ちで一生懸命に生きて行くことが仏道を歩いていく基本ではないかと思います。松原泰道老師の「きょうの杖言葉一日一言」と「般若心経入門」を読んで見ませんか。

それでは皆様が今日一日、ご無事で精一杯、働けますようにお祈りします。合掌 徳温禅月。


2013年10月30日水曜日

終活~お墓はどうするの?~

 おはようございます。
九州でも朝晩は冷え込み、九重連山は紅葉が色あざやかになってきました。ところで毎年、何回かお墓参りをしているという人は、全体の何%だと思いますか。読売新聞(2005年)が日本人の意識調査をしたところ、神仏に関わることのうち、なんと一位がお墓参りで79%、二位は初詣70%、三位は仏壇、神棚の礼拝で55%でした。

あたりまえと思う人と意外と思う人に分かれると思います。都会の人と地方の人の違いもあるでしょう。若い人と高齢者の違いもあるでしょう。平均的な数字かもしれませんね。全国で少年の非行率の一番低い県は鹿児島県で、皆さんが小さいお孫さんを連れてお墓参りに行くそうです。子供の頃からお墓参りをしているのです。

このような環境で育った日本航空を再生した京セラ名誉会長の稲盛和夫氏や、先日取り上げた地域を再生した柳谷公民館長の豊重哲郎さんなど多くの方が、人のためになることをしている鹿児島県出身者が多数おられます。

地域再生の講演をされいる豊重哲郎さんです。

では墓参りという行為の中に何があるのでしょうか。よく宗教は嫌いだが、墓参りはすると言う方もおられますが、どのように礼拝するのでしょうかね。少なくとも仏教と墓参りの意味をよく理解していないとご先祖の供養にならないし、世間体でしているか自己満足だけになってしまいます。

昔から日本では、先祖を敬うことが大切であり、そのことは民俗学として柳田國男さんが、膨大な調査研究で、著書に残している中の「先祖の話」という本で、「すなわち先祖にはその志(子孫を加護し、繁栄をもたらし、また悩み苦しみを救うという志)があり、またその力(実現する)があり、また外部にもこれを可能ならしめる条件が備わっているということを、(人々は)久しい経験によって、いつとなく覚えていた」(「新訂先祖の話」石文社)と書いています。

それは昔の人は、観念ではなく、実体験しているのです。仏教と神道が神仏習合していくのは、神道では人が神になるのです。大宰府天満宮では菅原道真を祀っていますし、仏教では、人は死後三十三年経てば仏(成仏する)となるからです。

つまり霊があり死後、霊は存在し、それは力を持っているということですよね。阿弥陀仏も法蔵という僧が祈願し、阿弥陀如来となって衆生を救ってくださっているのです。(私は霊は如来のみもとにあると思っています。)

「先祖」は、これを祭る子孫に様々な恩恵・恩寵(健全な幸せ)をもたらすという特性があるが、それは先祖の「志」であり、それを実現する「力(霊力)」を持っている、と日本人は信じていたことがわかるのです。(小畠宏允氏石文化研究所所長)

仏陀は、自らの死後のあり方を弟子に。「これは偉大な悟りを開かれたブッダのストゥーバ(仏舎利)であると心に念じると、多くの人々の心は清浄になり、心が清浄になると、死後に身体が壊れた後で、善いところ・天の世界に生れるのである。・・・・ストゥーバをつくって礼拝すべきなのである」(「ブッダ最後の旅」中村元訳岩波文庫)

お墓参りの意味がおわかりいただけたでしょうか。結論はお墓や納骨堂は必要であり、お墓参りをすることは心が清浄になり、生きる力が与えられるのです。東京では約30%の人が、お経も上げず、供養もせずに、直葬という葬儀形態をとっていますが、あとあと問題になることはたしかでしょう。

その背景に、葬祭業社の高額な葬儀料金と寺院の戒名代があるのですから、過度な葬儀を改め、適正な料金に戻ることが必要です。同時にお墓についても同様で、墓苑や墓石業者なども適正価格が問われていますので改善していって欲しいものです。

お墓(納骨堂)の種類の変化してきていますので、それぞれがご事情にあわせてお選びになり、子供さんやお孫さんにお墓参りや先祖供養の意味を教え、同行されることで家内安全で家族に幸福がもたらされるのです。また悪しき戦後教育を見直してもらいたいと思います。

大分県日田市三隈川河畔の日没
 
それでは皆様のご多幸を祈念して南~無・・・合掌 徳温禅月。



2013年10月29日火曜日

地域再生とはー鹿児島県鹿屋市柳谷に見習うー

 おはようございます。
昨日は、PCが故障して往生しましたが、ベスト電器の鶴さんが駆けつけてくださり、直してくれました。感謝です。デジタル時代で、中高年にとって、PCが動かなくなるとどうしてよいかわからないのがほとんどの方だと思います。すぐに動いてくれる人がいると助かります。

ところで先週の26日と27日の大分県日田市日の本町で、日本全国難読山名サミットが開催されました。日田市には、日本難読山ベスト10にはいっている山が二つあります。第一位一尺八寸山、第三位月出山岳ですが、何と読むと思いますか。「みおやま」と「かんとうだけ」です。



地元の有志が、この山を通して、地域の活性化に尽力しているのですが、前日は登山をし、翌日講演会と討論会がありました。大盛況で、小学校の廃校跡地を住民の多目的交流館として使っているのですが、その講堂が満席で座る場もなく住民や市民の方が集まりました。



鹿児島県鹿屋市柳谷という約280人余り(現在304人)の集落を再生した柳谷公民館長の豊重哲郎さん「地域再生~行政にたよらない感動の地域づくり~」と題して、熱く語りました。豊重さんのことはネットでみればすぐできます。



鹿屋市串良町柳谷公民館
館長  豊重 哲郎

◇プロフィール(略歴・事業内容等)

昭和35年 県立串良商業高等学校卒業。東京都民銀行入社。
昭和46年 Uターンして串良町上小原でうなぎ養殖を始める。
昭和54年 串良町上小原校区公民館長(~平成9年3月)
昭和56年 うなぎ専門店「うなぎの川豊」創業。
昭和60年 民間主導型「串良やったる会」結成。

乎成8年 「うなぎの川豊」閉店と同時に、うなぎのエキス「ヘルプアイ本舗iを創設し現在に至る。
    「ヘルプアイ」は独白に開発した健康食品で鹿児島山形屋を初め、有名デパートで好評発売中。
    ・むらづくり活性化アドバイザー(~平成10年3月)
    ・柳谷自治公民館長就任(現在に至る)

平成10年~村づくりの達人
◆豊重哲郎氏の生き生きアイデァなど
・むらおこし・・・・・・行政に頼り過ぎない「むら」おこし実践家。
・独自の商品開発・・・・竹の額縁、さといも焼酎、きんかん初恋キャンディーなど足元にある原料で商品開発。
・国際交流・・・・・・・串良国際農園を開園し、農場を地元の青少年と外国人の交流の場に提供。
・やさしい環境整備・・・土着菌を利用して家蓄ふん尿の悪臭防止、生ゴミ搬出ゼロの実施を中心にした地域づくりに集落全体で取り組み、一年後に約124㎡の土着菌センターを完成させた。機械化による量販態勢も確立し、地区外への販売を開始。同時に「お宝歴史館」も開館。(これらは、50日間、延べ300人の集落民労力奉仕により建設された)
・地威の青少年に・・・・高校生クラブの結成や青少年の学ぶ寺子屋、夢と感動をめたに聴けないコンサートなどの活動資金のため1haのカライモ栽培をはじめ、自主性に富んだ青少年の手助けを続ける。
・いきいき伸び伸び・・・柳谷集落民会議を結成し、独居福祉対策老人緊急警報機を設置。


HPより貼り付けしましたが、このプロフィールを読むと何をされたかがわかると思います。講演をきいて、リーダーのあるべき姿がかいま見えました。

①考え方が前向きである。②常に工夫している。③マイナス面をプラス転化している。③人を巻き込んでいる。 ④行政(社会や他人)のせいにしない。⑤自らが粉骨砕身している。ことではないでしょうか。

豊重さんは、会社勤めをし起業しているので、経営感覚が優れています。再生とはあるものからやろうよ、ないものねだりはしない、潜在力を引き出すことが大事ですとお話し、リーダーのあるべき姿を以下のように語っていました。

・企業会計原則(人財、帳簿(数字で語る)、総力戦、納税)
・リーダー不可欠、感動と感謝で人のこころを揺さぶる
・リーダーの親しみやすくて、近づきがたい人(勇気と度胸)
・地域活性化に補欠はいない。

地域が稼ぎ、地域に還元し、地域が潤う方式なのです。豊重さんのお話を聴いて、柳谷方式を取り入れれば、全国の農漁村、限界集落を再生することができると思います。中高年の皆さん、田舎に帰って、いきいき、のびのび、生活しませんか。日本再生の鍵は柳谷にあると思いました。ぜひHPをみてください。

全国の地域おこしの皆さんにエールを贈るとともに、皆様のご健康とご多幸を心より祈念いたします。合掌 徳温禅月。


2013年10月25日金曜日

終活ーペットはどうするのー

 おはようございます。
当家には、1年半前まで、ダンクというピンチュアピンシャーが居ました。「ありがとう」という意味ですが、よき友達という関係でした。しかし悪性リンパ種でこの世を去ってしまいました。ペットロス症候群と言いますが、なんとも言えない虚脱感がありますよね。(ブログで「イケメンダンクのひとり言」に詳しく書いています。)


今、息子がニューヨークから帰国したときに、エリックというオカマのペルシャ猫を同伴して来たので、その面倒を私がみていますが、猫は犬ほど愛着はわかないですね。(これは個人的な見解。犬より猫が好きな人もたくさんおられますから)


終活支援活動をするようになってから、動物を大事にするお年寄りが多いことがわかりました。番犬としてあるいは寂しさからイネやネコ、あるいは鳥などの愛玩動物と一緒で暮らしている方が多いし、日本の世帯の約6割がペットを飼っているそうです。(私はペットという呼称に軽さを感じて好きになれません。なぜなら家族の一員だからです。)犬は、人間の5歳の子供ほどの知能があり、約300の言葉を理解するそうです。

本題に入りますと、高齢者がペットを飼うと、そのペットが病気になったり、ケガをしたりすると、動物病院に連れて行ったり、自宅での看病に労力をそそがなければなりません。そして動物も人間とおなじように年をとり高齢化しているのです。病気はしていないが、眼が見えなくなったとか、足腰が弱ってうまく歩けないとか、老いて介護が必要になるのです。いわゆる老々介護をペットにしなければなりません。でもそれが生きがいで元気になった方もたくさんおられます。まずは、自分の年齢を考えて飼う時期を決めたいものです。私は約65歳位までが最後のチャンスかなと思っています。(飼い始めて10年経つと75歳になるからです。)

もし、自分が病気になったら、連れ合いがいますのでお願いしますが、「おひとり様」と言って一人ぐらしの方が全世帯の約3割、65歳以上でおひとりで住んでいる方が約479万人いるのです。自分が病気になったら、誰に頼むのか早めに相談してお願いしておくことが必要です。

次に供養ですが、愛したペットが亡くなったらどうします。遺体を焼却場に持って行きますか。いまどこでもペット葬祭がありますので、ぜひ利用されて供養していただきたいと思います。先方から出向いてくれます。そしてお祈りしてください。

次にその遺骨はどうしますか。今は一緒にお墓にいれる方もおられます。でも自分のお墓もない方は、どうしますか。私は今は、手元においております。6月に一周忌をしました。


60歳をすぎてペットを飼う場合、自分が病気になったら、誰に面倒見てもらうか決めて相談しておくこと、自分が先にあの世に行った時も同様です。ペットを飼うにはエサ代や保険や医療費など費用がかかります。ですので、面倒を見てくれる人には、遺産相続のなかから、その分を多く差し上げるのがいいと思っています。愛するペットも相続してもらうことです。

死んだら何もなくなるなどの考えを持っている人ほどみじめな死に方をするし、生きてるときから生きてることや他人に感謝しないものです。まずは身近な方々に感謝しましょう。生あるものに感謝しましょう。今に感謝しましょう。あの世で神仏にお会いできることに感謝しましょう。

ペットについて「終活読本ソナエ」秋号(産経新聞出版)に詳しく特集していますので読んでみてください。皆様のご健康を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。



2013年10月24日木曜日

千の風になって・・・終活

 おはようございます。
昨日の日本テレビの「一番ソングショー」で「あなたが選ぶ いま1番聴きたい感動の泣き歌 国民総選挙」で一番になった曲は、秋川雅史さんの「千の風になって」でした。2006年5月にリリースされて7年経っても忘れられない歌というのは本物ですね。

実は「終活読本ソナエ」の秋号はこの秋川雅史さんと「千の風になって」が特集されていたのです。この歌はイギリスで歌われていたそうですが、新井満さんがの日本語詞し、作曲したものです。


「千の風になって」

『私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな 吹きわたっています
 
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬にはダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
 
私のお墓の前で 泣かないでください
そこには私はいません 死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
 
千の風に 千の風になって
あの 大きな空を 吹きわたっています
あの 大きな空を 吹きわたっています』

この詩のいいところは、亡くなった方がいつまでも風になって、あなたのそばにいて見守ってくれているのですよと歌っているところです。亡くなった方のことを思い煩う方がいますが、何の心配もいらないのです。神仏のみもとにいるのですから。むしろ残されて思い煩う方が、この歌を聴いていやされるほうが大切です。

先日、西日本新聞でも新井満さんは日本人には風が大好きだと言っています。万葉集の額田王は

「君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の すだれ動かし 秋の風吹く」

歌い、宮崎駿監督は「風立ちぬ」、宮沢賢治は「風の又三郎」と日本人にとって風がいつもそばにいるのです。日本人のアミニズム(精霊信仰)的な思考は、失ってはいけないものなのです。秋川雅史さんと新井満さんがこの歌への想いを書いていますので、「終活読本ソナエ」秋号(産経新聞社)を読んでください。


もう4年前になりますが、山荘無量塔の藤林晃司君が亡くなったときに、奥様に彼は湯布院の風になったんだよと言ったことを今でも思い出しますが、かれは大好きな湯布院で風になって、湯布院を遊んでいると思うと風情があるのです。

お墓にいないならお墓参りの必要がないと言う方がいますが、風になるとはいつもあなたのそばにいますよということで、お墓は亡くなられた方と出会う場所であり、「な~む(南無)」と手を合わせるところなのです。

終活の一番大事なことは、次の世界へのこころの準備をすることだと思います。にっこり微笑んであの世へと旅立ちたいと思いませんか。終活カウンセラーがアドザイザーではなく、カウンセラーという呼称の意味は、よりそうところにあるのではないかと思っています。

終活についてご相談されたい方は遠慮なくメールにてお問い合わせください。皆さまのご健康を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。 E-mail beppu1717@mint.ocn.ne.jp













2013年10月23日水曜日

仏道を歩くⅠー淫らなことをするな、酒を飲むなー

 おはようございます。
受戒得度してから、1ヶ月が過ぎようとしています。何が変わったかと言うと、日常の生活を淡々としているのでですが、朝の5時半に起床して、座禅してお経を供える時間が一番爽やかであるのは事実なのです。

葬式に出席するがお経の意味が全く分からないと言われる方が多い。それは仏教者の責任だと思います。今のお葬儀は、ただお経をあげるだけでわからないし、ひいては仏教嫌いになることもゆがめないのです。

私なら、まずお経をあげる前に、お経(仏陀の教え)の意味と生と死について、亡くなった方は、阿弥陀仏のみもとに行くから心配しないで、今、生きている皆さんこそ、亡くなった方に恥じない生き方をするようにお話します。そしてご供養のお経をあげるのです。そのような葬儀に変えるべきだと思いませんか。

受戒得度すると、仏教宗派も同様ですが曹洞宗では、十重禁戒と言って、十の戒めを守らなければなりません。このなかの不邪婬戒不酤酒戒についてお話ししたいと思います。

いわゆる、淫らなことをするなと酒を飲むなということですね。特に出家して、寺を預かるものが奥さん以外の女性と関係を持つというとは、一般の方でも許されないのに許されるはずがないと思うのです。どうしてもしたければ、僧籍を退き、離婚してからということです。

邪淫を絶つ方法はいつか別の機会にお話したいのですが、真言宗では「文殊滅淫欲我慢陀羅尼」を唱えますが、「南無阿弥陀仏」でいいのです。なぜなら仏が守ってくれるのです。邪淫にひかれたりするのは念仏もお題目もあげていないのです。お経や真言には無限の力があるのです。信じますか。

2番目にいわゆる飲酒ですが、私は受戒得度して、ある会合を最後にお酒を断ちました。極めて快調ですし、夜の読書はできますし、座禅瞑想もできるので、最高ですね。もともとビール一缶程度でしたが、食事をしながら飲むんでいたので眠たくなるんですね。酒を断っても時間通りに寝つきはいいしぐっすり眠れます。一般の方はほどほどに飲めばいいんですよ。但し酒に飲まれたら、人生は終わりです。

人間は寂静なる状態にあることに満足感を覚えることが本来の姿ではないでしょうか。それを酒とかタバコとかにたよらないと落ち着かないとか、イライラするとかいうことがすでにおかしいと言うことに気づかないと、エスカレートすれば薬物や脱法ハーブなどに手を染めることになりかねないのではないでしょうか。

お経の意味が分からない方や、仏教を勉強してみたいと思っている方にまずおすすめしたいのは、財団法人仏教伝道協会が出している「仏教聖典」です。仏教の真髄がまとめられていて、読みやすく、お経の意味も自然とわかってきます。いわゆるキリスト教の聖書のように口語訳されています。文庫本もありますので、すぐに注文してみてください。(下記に書いておきます。)

この仏教伝道協会は株式会社ミツトヨの創業者であります実業家沼田恵範氏が私財を投じて始めたものです。東京町田に立派な協会の会館があります。ここで中野東禅先生の座禅会も開催されていますので、仏教に興味ある方は一度お寄りになってください。

それでは皆様の今日一日が充実した日でありますようにお祈りします。合掌 徳温禅月。

財団法人仏教伝道協会 東京都港区芝4丁目3番14号 電話03-3455-5851




2013年10月22日火曜日

大分県無形民俗文化財「本城くにち楽」

 おはようございます。
日曜日に、大分県日田市天瀬町の五馬地区に伝わる本城集落の「本城くにち楽}を観に行きました。実はずっと日田市に居て初めて見たのですが、タイムスリップしたような感覚にとらわれる民衆の時代絵巻でもあります。



大分県の無形民俗文化財に指定されているのですが、五穀豊穣、無病息災を願い、村人が総出で、この秋祭りを実施するのです。金凝(かなこり)神社とお仮屋で行われるのですが、「くにち楽」が神社と仮屋で奉納される稚児行列や踊りは独特のものがあります。



この天瀬町五馬地区では本城集落が20・21日、塚田集落が22・23日、出口集落が24・25日、五馬市集落が26・27日と「くにち」が行われ、それぞれの「楽」が奉納されますので見ごたえがあります。

 

この五馬の里には、古代五馬姫という方がいたとのことですが、天瀬のみなさんの信仰の深さに驚されるような遺跡群があります。いわゆる古神道から仏教に至るまで、民衆の中に信仰が生きていたからこそ、年貢の負担に耐えかねて江戸時代と明治時代に、大規模な一揆をおこしています。そのときの民衆の怒りと神仏のご加護を祈った踊りではないかと思いました。

 

是非、皆さんも秋祭り「くにち」を観に足を運んでみませんか。また11月2日にはJR天瀬ウォーキング大会もありますよ。私は、帰りにJR久大線天瀬駅前の「あまがえる」でおいしいコーヒーをいただき、「益次郎の湯」につかり、「温泉禅」をさせていただきました。まさにこの世の極楽かもしれません。「楽」は極楽の楽からきているかもと思いつつ。皆様のご健康をお祈りします。合掌 禅月。



2013年10月21日月曜日

終活を楽しむⅢー良寛さんの恋心ー

 おはようございます。
先日、ある書道展を見に行ったのですが、多分40代~50代の女性が書かれた作品だと思うのですが、万葉集や古今和歌集、良寛の和歌などの書を観ていて、良寛さんは、老いて年若き貞心尼にどのような恋心を抱いたのだろうかふと思いました。


誘いて行かば行かめど人の見てあやしめ見らばいかにしてまし   良寛

鳶はとび雀はすずめ鷺はさぎ烏はからすなにかあやしき      貞心尼


中野東禅先生の禅僧が教える「老いと死をたのしむ一句の血から」を読んでいましたら、貝原益軒「養生訓」で、

「老いの身は、余命久しからざる事を思ひ、こころを用いる事若き時に変わるべし。心静かに、事少なくて、人に交じはる事のまれならんこそ、相似合ひてよろしかるべけれ。」

歳をとってきたら、「心静かに、事少なくて」の心境がいいですね。いつまでも金儲けに奔走するのはいかがなものか、また70歳を過ぎても国会議員を後身に譲らず権力にしがみついているのは、老害としかいいようがないと思うです。

この本の中で、「老人問題研究所の「余暇活動のおける創造性発揮」について分類したものに、①大学の聴講生などの自己啓発活動 ②演出演芸活動 ③絵画・写真などの美術工芸活動 ④俳句などの文芸活動 ⑤盆栽などの自然に親しむ活動 ⑥収集するホビー活動 ⑦ボランティア活動 ⑧囲碁や釣りなどのスポーツ・ゲーム活動 ⑨社交活動 ⑩政治活動 ⑪宗教活動 ⑫健康維持のフィジカル・フィットネス活動 ⑬食事研究などの減量・栄養調節活動、の13項目が挙げられています。」

何歳からが老人かといえば、70歳位だと思いすが、定年退職後の創造的な活動を計画しておくことが充実した人生を送ることができる方法です。皆さんは何をしますか、私が経営コンサルティング活動を継続しているのは、若い方への経営支援活動と育成に尽力できるし、若き経営者の事業の成功を共に喜ぶことができるからです。だからいまさら金儲けではしない。

最後に良寛さんが「老いが身の 哀れを誰に 語らまし 杖を忘れて 帰る夕暮れ。」 と詠んでいます。皆様のご健康をこころより祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。

参考図書 「老いと死をたのしむ一句のちから」 中野東禅著 イースト・プレス



2013年10月18日金曜日

伊豆大島の教訓ー誰が住民を守るー

 おはようございます。
台風26号は、関東を直撃し、伊豆大島に甚大な被害をもたらしました。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りしたします。そして被災された皆様にお見舞いを申し上げます。10年に一度の強大台風と言われながらどうしてこんなにも多くの方々の命が奪われたのしょうか。

温暖化による異常気象、集中豪雨、竜巻、かって経験したことのない巨大台風の時代が来たことを警鐘してきましたが、今回の伊豆大島の行政のトップの方は、危機感のない対応としか思えません。以前より「不都合な真実」「2052」を読むように提言してきましたが、行政に携わる人たちは読んでいるのでしょうか。



雨量が100ミリ時代と言ってきましたが、150ミリ、200ミリの時代が来ているのです。住民の生命を預かる行政のトップ及び担当者は、このこと肝に銘じておかないと、住民を守ることはできないのです。

産経新聞の記事によりますと、
『「痛恨の極み。自治体の長の判断であり、おわびしなくてはならない」
 川島町長は17日の記者会見で、避難勧告などを出さなかったことについて謝罪の言葉を繰り返した。

 大島町によると、15日午後1時ごろ、防災無線で住民に注意を呼び掛けた。町長と副町長は出張中で不在。雨脚は強まり、気象庁は午後5時38分に大島町に大雨洪水警報を発令。午後6時5分には大島町に土砂災害警戒情報を発令した。

 さらに記録的短時間大雨情報が16日午前2時32分に出されて以降、大島町は気象庁や都から直接電話でも防災対応を求められたほか、警視庁大島署からも避難勧告を出すよう要請された。だが、動かなかった。

 川島町長は「災害情報を過小評価していた。判断を誤った」との認識を示した。気象庁の羽鳥光彦長官は17日の会見で、都や町に電話で「尋常ではない状況」を伝えた対応について、「より確実に危機感を伝える表現方法を検討する必要がある」と述べた。』(ネットより)

台風が来た日、町長と副町長は大島を不在でした。行政のトップとして危機感のなさを感じざるをえません。福島原発も台風対策ができていないことを露呈しました。想定外という言葉は通用しないのです。

今の異常気象はすべて想定内で起きていることで、以前より専門家や学者が指摘していることなのです。伊豆大島の教訓を、行政に携わる方々は真剣に考え、生かして欲しいと思います。来週には台風27号が来ています。

住民の皆様、ボランティアの皆様、体に気をつけて、復旧活動をされますことを祈念します。



2013年10月17日木曜日

やなせたかしさんを悼み、歌を想いだす

 おはようございます。
あのアンパンマンの生みの親であるやなせたかしさん(享年94歳)が亡くなられた。やなせさんのご冥福を心よりお祈りしたします。子供が幼稚園、小学生のとき、運動会の季節になると町のあちこちからこの歌が聞こえて来ました。

いつもなにげなく聴いていたのですが、あらためて聴くとこの詩の深さに感じ入るのです。

「アンパンマンの歌」

そうだ!うれしいんだ生きる喜び
たとえ胸の傷がいたんでも

何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのはいやだ!
今を生きることで 熱いこころ燃える
だから君は行くんだほほえんで。

そうだ!うれしいんだ生きる喜び
たとえ胸の傷がいたんでも。

ああアンパンマンやさしい君は
行け!皆の夢守るため

何が君の幸せ 何をして喜ぶ
わらないまま終わる そんなのはいやだ!

忘れないで夢を なくさないで涙
だから君は飛ぶんだどこまでも

そうだ!おそれないでみんなの為に
愛と勇気だけが友達さ

ああアンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守るため

時は早く過ぎる 光る星は消える
だから君は行くんだほほえんで

そうだ!嬉しいんだ生きる喜び
たとえどんな敵が相手でも

ああアンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守るため


この歌を聴いて育った子供たちが、イジメをしたり、人を傷つけたりはしないと思います。なぜならこころの奥深くに、この歌がしみ込んでいるからです。いつも口ずさむ歌がもうひとつあります。「手のひらに太陽を」です。

「手のひらに太陽を」

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
(ちしお)
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 笑うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから うれしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
トンボだって カエルだって
ミツバチだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ぼくらはみんな 生きている
生きているから おどるんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから 愛するんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
スズメだって イナゴだって
カゲロウだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ


どんな小さな生き物でもいのちをもっている。ミミズもオケラもアメンボも生きている。いのちの大切さを理屈抜きでうたっています。やなせさんは晩年たくさんのご病気を抱えていたのですが、自らを十病人と称し、生きているから病気になると、いつも前向きに語っていたそうです。読者の皆さん、やなせさんの詩をじっくり読んでください。

このたび台風26号で亡くなられた方のご冥福をこころよりお祈りいたします。また伊豆大島など被災された方々がお元気になられますように祈念いたします。合掌 徳温禅月。


2013年10月16日水曜日

人生の四季

 おはようございます。
中野東禅先生の「禅僧が教える老いと死をたのしむ一句のちから」(イーストプレス)を読んでいましたら、ブログで「人生は春夏秋冬」を以前書いたのですが、同じことを書いた方を紹介していました。それは、無教会主義を提唱したクリスチャンの内村鑑三氏です。
 

『先生の有名な言葉が「人生の四季」というものです。

人生は春ありたり。勇気勃々、希望満々(中略)春は実に喜ばしき悲しき時期なりき。

人生は夏ありたり。議論諤々、主義堂々(中略)夏は実に辛き苦しき時期なりき。

人生の秋は来たれり。感涙滴々、思惟粛々(中略)寂寥に感謝伴い、孤独に祝福 溢れる
秋は実に静かなる楽しき時期なり。

人生の冬はきたるべし。然れども絶望の時期にあらざるべし。復た来ん春を望みつつ
過去の恩恵に感謝しつつ、父の家に還るなるべし。

…日本的に言えば、「あの世」は人間の物差しを越えた神聖な世界であり、そこの落ち着くことを祈るという精神の在り方です。
人間的汚れを越えた世界を見つめるところに精神の強さがあると思います。』(同書より)

千葉県成田勝胤寺にて、中野東禅先生と小生です。

私は、仏陀がキリストに影響を与え、キリストが大乗仏教に影響を与えて今日があると思っていますので、なんら矛盾するものではないと思っています。NHK大河ドラマ「八重の桜」の新島八重が、キリスト教徒になったのち、曹洞宗の禅寺に通うことが、当時批判されたようですが、八重も同じ人生観を持っていたと思います。

この黒字の内村鑑三氏の「人生の四季」の言葉、いいですね。ついつい何度も読み返します。終活を考えている人、真っ盛りな人は、「老いと死を楽しむ一句のちから」中野東禅著(イースト・プレス)をぜひ一日一句づつ読んで見ませんか。全部で100の言葉をわかりやすく書いています。こころがなごみますよ。

関東、東北の皆様にはくれぐれも台風の雨、風にお気をつけて、今日一日、皆様がご無事でありますように祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。


2013年10月15日火曜日

民陶の里、小石原から小鹿田へ

 おはようございます。
運動会が各地ではじまると、駆け足で秋がやって来そうですね。でも残暑が残る連休でした。12日から14日にかけて、朝倉市東峰村では、秋の小石原焼民陶むら祭り、日田市小野では、小鹿田焼民陶祭が開催されていたので、足を運びました。

福岡からでしたら、杷木インターを降りて、バスセンターを通り過ぎて、すぐに左に入りると約15分で東峰村につきます。小石原への道沿いに各窯元さんがありますので、いくつか観てまわるのが楽しみですね。

小石原焼(こいしわらやき)は福岡県朝倉郡東峰村にて焼かれる陶器。主に生活雑器が焼かれる。1682年に、黒田光之伊万里から陶工を招いて窯場を開いたのが始まりで、筑豊地方で最初の焼き物産地となった。高取焼の開祖、八山の孫、八郎も当地に移り住んで開窯した。刷毛目、飛び鉋、櫛描きなどによって表現される独特の幾何学的な文様が特色で、素焼きを行わず、釉薬を流し掛ける。後にその技法は大分県日田市小鹿田焼に伝わっており、小鹿田焼とは姉妹関係にある。日本の陶芸界に大きく影響を与えたバーナード・リーチによって、「用の美の極致である」と大きく称賛された。小石原には窯元が56軒ある。(ウキペディアより)

今回は、小石原焼と小鹿焼の源流である高取焼宗家を観に行きました。静かな佇まいでまさに静山の名にふさわしいところです。


邸内にて、
この色合いに、すがたに、絶句します。
 
作品が展示されていますが、手に取って観ると、ひとつひとつに表情があるのです。
 
八山の額ですが、現在は13代目です。
 
次代を背負う息子さんにご挨拶し、小鹿田に向かいます。登ってきた道を東へ日田方面に向かいます。大鶴という町にでて、左にはいると鶴ヶ内があります。ここから山越えをします。民藝運動を主導した柳宗悦先生が小石原から歩いて通った道(約20キロ)を車を走らせました。里山の風景もいいですよ。
 
小鹿田焼は、江戸時代中期の1705年宝永2年)若しくは、1737年元文2年)に、幕府直轄領(天領)であった日田の代官により領内の生活雑器の需要を賄うために興されたもので、福岡県小石原から招かれた陶工の柳瀬三右衛門と、彼を招いた日田郡大鶴村の黒木十兵衛によって始められた。元は、享和年間に小石原焼の分流の窯として開かれていたものであるという[1]。このため、小鹿田焼の技法には小石原焼と共通するものがある。
朝鮮系登り窯で、飛び鉋、刷毛目、櫛描きなどの道具を用いて刻まれた幾何学的紋様を特徴とする。トビカンナ(飛鉋)は、時代の修式窯飛白文壺との類似が見られる。また、釉薬の使い方には打ち掛け、流し掛けなどといった技法が用いられ、原料によってセイジ(緑)、アメ(飴)、クロ(黒)が主である。
陶土を搗くための臼は「唐臼(からうす)」と呼ばれるもので、ししおどしのように受け皿に溜まった水が受け皿ごと落ちる反動によって陶土を挽いている。その音は「日本の音風景100選」の一つにも選ばれている。
民芸運動を提唱した柳宗悦1931年昭和6年)にこの地を訪れ、「日田の皿山」と題して評価する内容の一文を発表したこと、さらに、日本の陶芸界に大きく名を残したイギリスの陶芸家、バーナード・リーチも陶芸研究のため、1954年(昭和29年)、1964年(昭和39年)に滞在して作陶を行ったことにより、小鹿田焼は日本全国や海外にまで広く知られるようになった。(ウィペデアより)

小鹿田焼の民陶祭も盛況でした。



唐臼の音が聞こえて来そうでしょう。

多彩ですよね。

透き通る清流、戯れる子供たち、紅葉の秋がもうすぐ小鹿田の里にもやって来ます。

民陶祭のときに行くと、たくさん買い物ができますね。陶器をじっくり見たいなら、平日がいいですよね。今度、小鹿田から小石原まで歩いて、柳宗悦先生がどんな思いで風景をみたか、あじあたいと思いました。

読者諸氏もぜひ、民陶の里、小石原と小鹿田にお越しください。では皆さまのご健勝を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。












2013年10月14日月曜日

産業観光で地域を活性化しよう。

 おはようございます。
11日、大分県日田市でのメイドイン日田大博覧会・産業展講演会にてJR東海の相談役の須田寛さんがお話したことを参考にして、(産業)観光による地域活性化を提言したいと思います。


ウキペディアでは「産業観光(さんぎょうかんこう)とは、歴史的・文化的に価値ある工場機械などの産業文化財や産業製品を通じて、ものづくりの心にふれることを目的とした観光をいう。日本では東海旅客鉄道初代会長の須田寛が初めて提唱した。」と書いてあります。

講演される須田寛相談役です。

先日、明治日本の産業革命遺産を世界文化遺産として登録申請するとの政府の方針が発表されましたが、以前より須田さんが提唱している産業観光につながるものだと思いました。

「政府は14日、2015年夏の世界文化遺産登録を目指し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡、長崎、鹿児島など8県)を推薦する方針を固めた。9月中にユネスコに推薦手続きが取られる。

「産業革命遺産」は端島(通称「軍艦島」、長崎市)や三池港(福岡県大牟田市)など、日本の工業化の歴史を刻む炭鉱、製鉄、造船などの関連資産28件で構成。稼働中の施設を含むため、文化財保護法だけでなく、港湾法や景観法などを駆使した保全管理計画が練られている。」(毎日新聞より)

私が(産業)観光と括弧にしたのは、そのような規模のおおきな産業は、うちの町にはないと皆さんが思われるとおもうので括弧にしたのですが、大小にかかわらずどんな産業でもその概念や発想は十分に活用できると思います。たとえば私が提言している天ヶ瀬ロングトレイル・オルレは、今までのウォーキングやトレッキングではなく、体験し学習できるものだからです。

たとえば、温泉ですが、露天風呂の掃除など体験するとただお湯を出しているのではなく、お湯をはっていることが理解できます。そして温泉の由来など学習できるのです。トレイルの中で、農業体験のできます。稲作の田植えや稲刈りそして葡萄やトマトの収穫作業を体験することもできます。つまり見るだけではなくものづくりの心にふれることであり、それは工業だけなく農業でも水産業でも可能のです。

日田市天ヶ瀬温泉薬師湯
 
天瀬町のトマトファームさんです。

もっといえば、神社仏閣などの史跡めぐりも、宿坊に泊まって座禅をしたり、写経をしたり、プチ出家を体験できるからブームになっているのです。見せる観光から体験する学習する観光に変化しているのです。私は真宗のお寺さんも宿坊など作って、お念仏行の体験や南無阿弥陀仏の説法などを取り入れると一挙両得だとおもいますがどうでしょうか。

また、日田には小鹿焼という柳宗悦先生が世に見出した、有名な民藝陶器の里がありますが、ここでも弟子修行体験できるような企画をしていけば、違った観光の切り口になると思います。日田下駄もげたつくりにいつでも体験できる場が、おもしろいですね。


須田さんは、産業観光の特性として、①地域と住民(くらし)に密着した観光であること、②着地型観光であること、③「見る」「学ぶ」「体験する」の三位一体の観光、④まちづくりにつながる観光であること、とお話しています。

そして産業観光展開の前提として、①企業、住民、行政の幅広い理解と協力が前提です。②受け入れ態勢を整備する必要があります。③ビジネスモデルを確立していきます。④まちづくりとの協働していきます。と提言しています。

さてみなさんのまちも、産業観光をとりいれて活性化してみませんか。工夫すれば地域は活性化します。努力すれば道は開かれます。読者諸氏の活躍をこころより祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。




2013年10月11日金曜日

終活を楽しむⅡ

 おはようございます。
昨日の表題にセミナーへのご招待と書いたら、なぜかアクセスが少なく、壇蜜さんの記事紹介へのアクセスが多いのにはこれまたびっくりしました。檀蜜さんは32歳?、こんな若い美人が、生と死や終活を考がえている世相は、やはり将来や老後への漠ととした不安を抱えている若者が多いからではないでしょうか。この「終活読本ソナエ」(産経新聞社)に41歳で亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さんのことも書いています。この雑誌は880円で安価で読みやすいですよ。

昨日の続きですが、ぜひ「見果てぬ夢リスト」を書いて見てください。まだまだすること、したいことが見えて来ますよ。一般社団法人終活カウンセラー協会が「人生の終焉を考え、今を自分らしくより良く生きる活動のことを終活という」と定義しているように、自分らしくより良く生きるためにも、「見果てぬ夢リスト」を書いて欲しいと思います。

これは書いたら、次に60歳還暦の人ならば、10年後の70歳古希までの10年人生計画表におとしていきます。JR九州ななつ星に乗りたいといっても、予約制で約一年後しか取れないし、ヨーロッパ旅行も今日明日中に行けないので、たとえば2015年に書き込んでおくのです。2020年東京オリンピックも観に行きましょうよ。


このような10年人生計画表に書き込んで、次に一年計画表に書き込みます。今年一年間の何月に、伊勢神宮に参拝に行くとか、奥さんと温泉旅行に行くとか、遺言書を書いておくとか、書き込んでおきます。この10年人生計画表と1年計画表はかならず目に見えるところに貼っておきます

そうすれば必ず、実行するし、見は手てぬ夢が実現するのです。古希になったら、神仏に感謝し、あなたのまわりの方々に感謝し、次の十年間の計画を書くのです。こうすれば充実した林棲期、実り多き人生の秋を過ごすことができます。

皆さんの町にも、終活カウンセラーの方がおられますので、相続や遺言、葬儀やお墓のこと、保険や介護のことなどご相談されると良いですよ。一番いいのはあなたも終活カウンセラーになって、地域の皆さんのお役に立つ終活支援活動をするのも、はつらつとしていいですよ。

それでは、良き週末をお過ごしください。読者諸氏のご健勝を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。



2013年10月10日木曜日

終活を楽しむⅠ

 おはようございます。
「終活」や「エンディングノート」という言葉を使うと、どうもみなさんのお顔が暗く見えるので、「終活を楽しむ」と名うったわけです。終活を楽しむためのセミナーをブログ上で読者の皆さんにご紹介します。これまで、若手を中心に、「夢実現セミナー」を開催してきましたが、そのノウハウを活かして、作ってみました。

このセミナーへの参加者は、基本的には還暦60歳以上ですが、いま50歳の方でも使えると思います。なぜ、還暦かというと本卦還りといい、人生折り返しのゼロからのスタートだからです。70歳の古希、77歳の喜寿、88歳の米寿までの長寿のお祝いをしたいものです。

今回、60歳の還暦から70歳の古希までの10年間に、したいこと、欲しいもの、してあげたいことなど心行くままに書きます。55歳の方は65歳までの10年間でいいし、65歳の方は75歳までの10年間でいいのです。

それではまず、私たちひとりひとり自分の歩んできた人生振り返りシートに書いてみましょう。
①出生~幼稚園児、②小学生時代、 ③中学生時代、③高校生時代、④大学生時代、そして⑤就職、⑥結婚、子供、家庭生活、⑦仕事に励んだ時代、の7区分で振りかえってみてください。

次は、これから10年間でしたいこと、行きたいところ、遊びたいこと、欲しいものなどを心行くままに書いてみます。これを「見果てぬ夢リスト」と言います。

7つの項目に分けて書きます。例えば
趣味・旅行について
・出雲大社、伊勢神宮など行ってみたい
・四国八十八ヶ所巡りをしたい。
・JR九州ななつ星に乗ってみたい
・家庭菜園をつくりたい
・全国温泉巡りをしたい
・社交ダンス教室に行きたい
・ピアノを習いたい
・料理教室に行きたい
・地元にトレイルコースをつくる
・ヨーロッパ旅行をしてみたい


教養・学習について
・書道や華道教室に通いたい
・源氏物語を完読したい
・大学に行きたい
・川端康成全集を読みたい
・英会話や韓国語会話などをマスターしたい。


こころ・精神について
・座禅会に参加したい
・仏典を読みたい
・聖書を読みたい
・毎朝、座禅し、お経を唱え、お祈りをする
・就寝前に今日一日の感謝のお祈りをする
・お墓参りを毎月する


健康について
・毎日3キロウォーキングをする
・体重を5キロ減らす
・禁煙する
・晩酌はビールひと缶、会合でも深酒はしない。
・10時までに就寝し、5時半起床
・食事は腹八分に我慢する


家庭生活について
・妻と食事をする
・トイレやお風呂の掃除を受け持つ
・食事をつくってみる
・息子夫婦と月に一回は外食する
・妻と温泉に行く
・ありがとうを自分のほうから言う
・相続について妻と話し合う
・遺言書を書く
・葬儀やお墓について相談しておく


お金について
・収支を計算する
・節約する
・年金+アルファのアルファをする(収入を得る)
・保険を見直す
・老後・介護費用を考える


仕事について(ここでの仕事は収入を得るための仕事で、ボランティアは趣味に入れました。)
・してみたい仕事をリストしてみる
・パートをしてみる
・バイトを引き受ける
・プライドを捨てる


このように書いてみると現実的なことから、夢物語まで見果てぬ夢が出てくるのです。これが生きる希望ではないでしょうか。皆さんもA4の用紙に書きだしてみてください。次回は10年計画表と年間計画表について書きます。皆さんのご健康を祈りつつ・・・・禅月。



2013年10月9日水曜日

壇蜜さんが「終活読本ソナエ」に載っている?

 おはようございます。
人生の四季の白秋を迎えたわけですが、ーいつか迎える「その時」。人生を美しく仕上げるための季刊誌「終活読本ソナエ」ーにあの有名な檀さんが載っていたからびっくりしました。なぜならマスメディアに映る彼女の印象と終活が結びつかなかったからです。

しかし壇というタレント名に、その秘密が隠されたいたのです。は、仏壇や祭壇の壇で、大切な場所ですね。そしては、般若心経の般若波羅蜜多の蜜で、お供え物と言う意味です。名前の由来を聴いてまたびっくりです。

そして、彼女は葬儀学校に通い、200遺体をエバーミングしたと書いています。エバーミングとは遺体を消毒し、保存し、修復することを言います。失礼かと思いますが、人は見かけによらずということばがあてはまりませんか。壇蜜さん自身が語っていますので、この本を読んでみてください。


人生は春夏秋冬で、いま白秋をむかえました。インド哲学でいうと、林棲期ですが、今の40代以下の人たちは、林棲期の期間がないかもしれないし、短いかいかもしれないと危惧しています。なぜなら彼等が年金を受給する時期が70歳からになる可能性があるからです。個人の意思ではなく、国家制度(雇用制度)によって、人生が左右されているのです。環境の悪化と食糧汚染によって、今後寿命が延びるとは思えないのです。

なぜ、林棲期が必要なのでしょうか。壇蜜さんが出演したドラマ「半沢直樹」は、空前の視聴率でした。なぜなら日本の会社員のほとんどが現実にあじあっている事だから共感を得たのです。そして現実にみずほ銀行の反社会勢力への融資が、頭取も知ったうえで行われたとのことで大問題になっています。

ほとんどの企業で、不正など行われていないと思いますが、仕事上のトラブルや社内での人間関係、上司のパワハラなどで、ストレスを感じて仕事をしている人が大半でしょう。このような状況で、人のこころは、悪に染まり、汚れてくるのです。

この状態で、人生や生と死を思索することは不可能に近いのです。だからこそインドでは林棲期をを与え、汚泥から浄化し、精神を清浄にし、心身を統一するのです。秋は、そのように人生の収穫期だと思いませんか。

ビジネス社会で前線に立っている皆さんも、日常のなかに座禅をとりいれるなら、心身が正常になり蘇ってきます。そして、豊かな林棲期を迎えるためにも、稼いで貯蓄しておく必要があるのです。
読者諸氏が、健康で豊かな生活をおくることができますように心よりお祈りします。合掌 徳温禅月。


2013年10月8日火曜日

人生は春夏秋冬

 おはようございます。
おかげさまで、本日62歳の誕生日を迎えることができました。私が人生を大きな区切りにわけて生きて行こうと思ったのは、五木寛之さんの「林住期」や「遊行の門」を読んでからです。人生は自然界の四季である「春夏秋冬」であると思うようになりました。

もっと言えば、春とは「青春」で、学生期ですね。夏とは「朱夏」で、家住期です。そして秋とは「白秋」、林棲期という言葉を使います。五木さんの林住にすると臨終と間違えられるから林棲と書きました。そして冬とは「玄冬」、遊行期です。

このことは自著「生き方そして働き方」(HPから印字できます)に書いたのですが、私たちは生まれて、学びながら育つのに、約20年かかります。そして就職し、結婚し家庭をつくっていくのです。この期間が一番長く約40年、そして子供たちがひとり立ちし、還暦を迎える60歳の頃から人生を考える、ある意味では実りの秋ですから人生の収穫期なのかもしれません。80歳を過ぎたら、死への旅立ちを意識して生きると思うのです。

昔、学生の時に、兄のご縁でマラソンの瀬古さんを育てた早稲田大学陸上部監督の中村清監督からお説教をしていただいたことがあります。中村先生は、「自然界には時があり、すべての生き物は時を刻んでいる。たとえば蝉は、暑い夏に木をよじ登り、脱皮して鳴くことができるが、もし1ヶ月早くでてくれば温度が低くて死ぬかもしれない。決して早く出てこない。自然界の時を、体に刻んでいる。ところが人間は、すこし頭がいいと、小理屈を言い、18歳で政治だの、革命だの言う、それでは生きて行けない。学生の時は勉学に励むべきで政治活動などすべきでない。人生には時がある。」とお話してくれました。

若い方は、今はそれぞれの仕事に全力投球で頑張って欲しいと思っています。今することを今しないとあとではできないのです。まさに「今でしょ」という流行り言葉の通りです。学生の時に勉強しないといつ勉強するのでしょうか。

中村先生の座右の書に、「聖書」と「正法眼蔵」があり、それを見たときに先生のように偉くなるために、「聖書」と「正法眼蔵」を読むぞと心に思ったことが実現しているのが不思議です。

59歳の時、兄(享年66歳)と友人(享年57歳)を立て続けに亡くし、還暦になったら、定年退職をし、人生、生と死を考えようと思い、東京国際仏教塾に通い、中野東禅禅師より得度受戒をしていただき、「徳温禅月」という戒名をいただきました。皆様のご恩に報いるため、ひとりでも多くの方に仏法をお伝えしたいと思っています。

また、団塊世代や高齢者の皆さんが、「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をよりよく自分らしく生きる活動を終活を言います。」と定義した(社)終活カウンセラー協会の皆さんと、終活支援活動ができるようになったことは林棲期の生き方だと思います。

人生とは何ぞやは、それぞれがお迎えがくるまでに、しっかり考えて答えをだせばいいのではないでしょうか。皆さんが充実した人生を送られることをこころよりお祈りいたします。合掌 徳温禅月。



2013年10月7日月曜日

終活ー介護する人、される人ー

 おはようございます。
うちのお袋が93歳、女房のお袋が103歳、二人とも頭はしっかりしていますが、やはり足腰が弱っているみたいで、お袋は歩くのがおっくうみたいです。1週間に一度は顔を出しますが、最近はいつも寝ています。女房のお袋は、実家に義兄と住んでいまししたが、義兄が74歳で、面倒が見れないということもあり、義姉の近くの介護施設に入居しています。先般も転んで骨折し、車イス生活です。

日本国中、このような風景はあたりまえになっているのですが、還暦を過ぎると、少なくとも両親は80歳以上になっているのです。日本人の平均寿命は、男性79.64歳、女性86.39歳で、健康寿命は男性70.4歳、女性73・62歳で、その差は男性で9.22年。女性で12.77歳ですので、数字的にはこの差の10年余りが介護が必要という計算になります。

介護を要するのは、自分一人では入浴、排せつ、食事ができないからです。その度合いによって、要支援1~2と要介護1~5のランクがあるのです。皆さんは最後の日を迎えるときになったら、どのような生活を送っていたいと思っていますか。

私は、ロッキングチェアに座って、ときには本を読む、ときには音楽を聴き、そして外を眺めながら静かにご浄土(天国)に行きたいと思っています。すくなくとも80歳をすぎても歩けなくならないように、今も毎日ウォーキングしているわけです。

しかし、現実を見ると、他人に迷惑をかけたくないと言う思いから、介護施設や老人ホームに入ったりするのでしょう。まずは、食や運動にこころがけ、自分の健康寿命を伸ばす努力をすること、そして基本的な介護に関する知識を持っておかないと子供まかせというわけにもいかないです。

いわゆる老々介護になるまえに、地元で開催されている市民健康福祉まつりなどに足を運んでお話を聴いておくことも必要なのです。体力が落ちてきたり、物忘れがひどくなってきたら、各市町村の「地域包括支援センター」に相談してください。

足腰は大丈夫だと思っていたら、認知症がでてきたりしますので、成年後見制度なども知っておくことです。「見守り契約」をして守ってもらうことも必要です。老後をどのようにすごすかも考えておかないと結局、身内であっても、ほかの人に迷惑をかえるし、自分も気兼ねするのです。

作家の山崎豊子さんが亡くなりましたが、最後まで自分の仕事をし、自分の生き方を貫きとおしたいものです。山崎さんのご冥福を祈りつつ。合掌 徳温禅月。



2013年10月4日金曜日

終活ー渡すべきバトンは何か!真の相続とはー

 おはようございます。
この1週間は相続について書き、皆さんと考えてきましたが、相続するもの、受け継いでいくものは、物質的財産だけでしょうか。たしかに目に見える物質的財産はわかりやすいものですが、それらはいつかはなくなるものです。

家庭を築き、家族を営むなかで、実は伝えるべきものをすべての人が持っているのではないでしょうか。ひとりの人の人生は、歴史上も他にはなく、現在約一億2千万人余りの人と同じものはないのです。素晴らしいですよね。

しかし、その人が人間として成長するには、ご両親(あるいは祖父母)の考え方、生き方などに影響を受けているから親に似ているねとか、言われるわけです。顔だけではないですよね。

私たちは、自分が渡すべきバトンを持っているでしょうか。それは、考え方であり、精神(スピリッツ)であり、哲学(フィロソフィ)であり、思想であり、宗教であるのです。総じていえば、「生き方」ではないでしょうか。

確固とした「生き方」を、文字に書きあらわしませんか。私は還暦を迎えて最初にしたのが、「生きる」「生き方」「働き方」を書いたことです。自分の想いをすべて話すことができませんが、文章にし、子供に渡しておけば、いつでも、何度でも読めるのです。

つまり、だんだん無くなっていく物質的財産ではなく、生きる智恵、生きる方法、生き方を伝えておけば、その家は永遠に栄えることでしょう。現代的な悲劇は、核家族化し、個人化して、バトンを見失っているところにあるのです。

自分のルーツを探してみませんか。もういちど自分の両親のことを思い出してみませんか、兄弟仲よくしたことを思い出してみませんか、自分の人生を振り返ってみませんか。そうするとあなたの「生き方」が見えて来ます。それを気づくことが「エンディングノート」のいいところです。

日本人は、神道や仏教に触れることを通して、正しい生き方を教わってきたのです。釈尊はなんと言ったのですか。「生老病死」の現実を生ききるには、「八正道」であると言ったのです。先祖代々、正しく生きることを教えてきたのです。

迷いを捨て、煩悩を捨て、自分の正しい生き方を貫き、そのことを伝えるべきではないですか。相続すべきものは、その考え方ではないでしょうか。皆さんのご健康を祈りつつ、よい週末をお過ごしください。合掌 徳温禅月。


2013年10月3日木曜日

終活ー知らないと大変!相続税-

 おはようございます。
このブログの相続シリーズは、たいへん多くの方がアクセスしていただき、皆さん、人生を真剣に考えておられる証拠です。同時に不安も抱えているわけです。日本の総世帯数は5092万世帯です。そのうち65歳以上は、1588万世帯で、おひとりで生活されている世帯は479万世帯です。表現はともかくとして、いわゆる「おひとり様」と言うそうです。

相続のお話のなかで、おひとりで住んでおられる方は、子供のお世話にもならず、兄弟のお世話にもならず、頑張っている方がおられます。息子が都会に出て行って、墓守は誰がするのか、心配されている高齢者の方もおられます。あるいは、今は動けるが動けなくなったらどうしようかと相談される方もおられます。このような方の相続も難しいものがあります。最大限、耳を傾け、最善の方法を助言しますが、これでよかったかなと思うこともあります。時間をかけて解決していきたいものです。

相続のことをお話しましたが、動けるうちに人生を楽しんで欲しいと思います。日頃の生活は、切りつめても、ときにはお友達と温泉旅行に行くとか、歌舞伎を観に行くとか、ななつ星九州に乗ってみるとか、今までしたことのないことをどんどんし、行ったことのないところへどんどん行きましょう。

お金を貯めておいても、あの世まで持っていけないし、これからお話する相続税を納付していただくことになります。相続人がいない場合は国庫に帰属することになります。それもお国のためになった大切なことです。

現在の基礎控除額は、5000万円+(1000万円×法定相続人の数)です。平成27年度からは、3000万円+(600万円×法定相続人)になりますので、奥さんと子供さん二人を残して亡くなった場合は、8000万円が4800万円になります。これからは、法定相続人がひとりの場合は3600万ですので、日本のほとんどのご家庭が対象になります。

つまり、預貯金+不動産(自宅)+死亡保険金などで3600万円を超えるかたは、たくさんいます。これに話題になっているのが死亡消費税です。本来消費すべきものを残したのだから、その時の消費税が10%としたら、遺産総額3000万円の場合は、300万円を納める方式ですが、東大出の方たちはいろいろ考えだすようですね。これは決まってはいませんが言い出したらしたがる人たちですね。

正味遺産額から基礎控除額を差し引いたものが課税遺産総額ですので、税率も違いますので、1億以上でなければ心配することもないでしょう。但し、相続した人が納めることをお忘れなく。相続について、これまで実務的なことを書きましたが、本当に受け継ぐものは、ただ単にお金ではないことを明日は書きたいと思います。皆さんのご健勝を祈りつつ。合掌 徳温禅月。


2013年10月2日水曜日

終活ー知らないと大変!相続Ⅲ-

 おはようございます。
一般的に、相続するものには、預貯金、株式証券、自宅・アパートなどの不動産、死亡保険金などがありますが、預貯金は分配されますが、株式や投資信託などの金融資産は、運用できる人でないと相続しても難しいですね。できれば現金化するか、安全性の高いものに変更しておく必要があります。自宅は家を継ぐ人でいいですが、アパートなどを共有で相続させておくと、あとあと売却や補修のときにトラブルことが多々あります。

遺産分割裁判のうち、相続資産の総額5000万円以下でもめている係争が73%を占める現実をみると、人間のさがといいますか、人間の貪欲さといいますか、人間の終わりなき煩悩といいますか、なんと利己主義がはびこっているのでしょうか。だからこそ、生前に、不公平にならないように遺産相続の話をしておくこと、そして納得がいったら、遺言書を書いておいて欲しいものです。

自筆証書遺言書を書くときは、まず財産目録をリストしてください。預金通帳や保険証、株式証券、ゴルフ会員権証書、貴金属・美術品などの鑑定書、ローンなどの借入明細書などをそろえておいてください。不動産をお持ち方は、登記簿謄本や固定資産評価証明書なども必要です。最後に、戸籍謄本と、婚外子はいないでしょうね。あなたの法定相続人を確認してください。今は本もでていますし、行政書士や司法書士さんお尋ねすればすぐわかります。

こういうことがありました。そのご家庭はご両親は亡くなり、奥さんと二人ぐらしで、子供さんもいませんでした。ご主人のご兄弟は、弟さんが二人いました。ある日突然、ご主人が心筋梗塞で亡くなってしまいました。この場合は、法定相続人は誰でしょうか?

登場人物の配偶者の奥さんと、二人の弟さんたちですね。配偶者が4分の3、弟さんたちが、残りの2分の1づつですので、8分の1ですね。

しかし、ご主人は、子供さんに恵まれないなか、奥さんと苦労して、頑張ってきたので、こっそり遺言書を書いていました。それは奥さんに全額相続する内容でした。さてこれはどうなると思いますか?

そうです。遺言書通り、奥さんが全額相続することができたのです。

この場合は、自筆遺言証書でした。但し、自筆遺言証書の場合は、トラブルことと、紛失したり、ご家族がこっそり中身をみて、破棄することもあるのです。家族で相談して決めれば、公正証書遺言書を公証人役場に行けば公証人が作成してくれますので、できれば公正証書遺言書にしましょう。また弁護士の依頼することもできます。お金持ちはこれをしているので、遺産総額5000万円以上の方の係争は少ないのです。

まずは、専門家にご相談することをお薦めします。やはり、人生の集大成の最後の仕事は、相続をどうするかではないでしょうか、金額の多少にかかわらずしておくべきです。さて消費税をあげることが決定しましたが、相続税も改正されて、平成27年度から変更実施されるのをご存知ですか。明日は相続税について書きます。乞うご期待。皆様のご多幸を祈りつつ。合掌 徳温禅月。



2013年10月1日火曜日

終活ー知らないと大変!相続Ⅱ-

 おはようございます。
昨日、友人と話していたら、「俺は財産はないから、心配していない、現金は残さず死ぬまでに全部使う」と言っていましたが、「家はどうするのか」と尋ねると、長男にあげるとのことでした。それは遺言書にかいてあるのかと聞くと、まだ「書くのは早い」との返事でした。

ほとんどの人が、こんな感じなのかも知れません。ひとつには、自分のいのちはまだあると思っているからです。そんなことは神のみぞ知るで、今日、脳梗塞や心筋梗塞でばったり行くかもしれないし、風邪と思っていたら、肺炎に罹って亡くなる人も死亡原因の第3位なのです。

失礼かと思いますが、海外旅行に行って、バルーンが墜落して亡くなったり、殺されたりしたニュースを見ると、先のことは全く分からないです。仏教では、そういう災害をあわないように、真言や陀羅尼を唱えますが、現代人は信仰心がないので、闇のなかを歩いているようなものです。

以前、お問い合わせがあった件で、奥さんと子供さん二人の家族で、ご主人が遺言書を書かずに亡くなったため、法定相続によって分割協議を家族でしたが、お父さんが生前、あの土地はお前にあげると言ったいたとかで、もめて、弁護士さんにお願いして、調停してもらい、遺産分割協議書を書いて合意したが、先日お会いしたら、まだ同じことを言ったいたので、いいかげんにしないとバチがあたるよとおもわず言ってしまいました。この兄弟はそれ以来、口もきかない関係です。

この場合の遺産の分割割合はどうなっているか、ご存知ですか?

ご主人の奥さん、配偶者ですね。配偶者が50%です。そして二人の兄弟は、25%づつです。もしご主人が奥さんも老後の生活費が必要なので、遺産をすべて奥さんに相続させると遺言書に書いておくとこのような問題は起きなかったし、遺言書を書くときには、生前に納得のいくように家族で話しあうことをお薦めします。

また、お父さんがお金を借りていたことを内緒にしていて、亡くなった後わかって、財産を相続すると同時に負債(借金)も相続することも忘れずに、借金もきちんと書いておきましょう。わかっていれば財産放棄することもできます。

また、親子や兄弟の連帯保証人になってはいけません。一族郎党、自己破産に会う人も多いのです。連帯保証人が必要な借り入れはしないことです。これを「家訓」にしているご家族もあります。

最近、前の会社の部下が家を建てたので、何年の住宅ローンにしているのと聴いたら、35年とのことでした。35歳で建てたので、70歳まで住宅ローンの返済をしなければならない世帯が増えていますが、必ず死亡保険付きにしておくことが大事です。ライフプラニングをきちんと立てておかないと、子供さんの教育費の大学卒業までに、約800万ほどはかかるのです。

少し、話が脱線しましたが、50歳を過ぎたら、エンディングノート(ライフプランノート)を書いて、人生設計を見なおすと同時に遺言書を書いて下さい。遺言書には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。どちらも長短がありますので、まずは自筆証書遺言を書いて、最終確定の時点で公正証書にすることをお薦めします。

自筆証書遺言は、全て自筆で書いて下さい。日付を具体的に書いて下さい。そして署名・捺印です。できれば実印で捺印しておくことです。奥さんと連名での遺言書は認められません。数枚になる場合は割り印しておきましょう。但し、自筆証書遺言の場合は、死後見つかって裁判所の検認が必要なため、時間がかかり、相続人の立ち合いが必要となります。

毎年、書いて家族に発表する社長さんがいますが、家族もいい意味でやる気が出るとのことでした。逝く人も残された人も安心できるようにしておくことが大事です。皆様のご多幸を祈りつつ。合掌 徳温禅月。