幸福な人生を送るには⑦～信仰と利他行～

　おはようございます

　神も仏もいないと言うなら、そういう人を無知な人と言います。私たちは、現在の物質文明社会での生活を満喫していると、いつも間にか、自分の力で生きていると錯覚してしまいます。

そして大自然の猛威にさらされると、恐れおののき、右往左往して、なすすべを持たず、神様はなぜ罪もない私たちをこのような目にあわせるのかと言います。都合のいい時にのみ神に助けを求め、なぜ神は助けてくれないのかと言います。

神仏の存在を感じない人ほど愚か者はいないでしょう。人間にだけ、神仏に祈ることができる言葉を与えられているのです。私たちは神仏と共に生きることができるのです。そこに信仰が与えられているのです。

聖書に『信仰とは、望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。』（ヘブライ人への手紙11章1節）と書いています。信仰は、希望であり、救いであり、夢や目標であり、私たちが望んでいることを実現させてくれ、目にみえないもの、それは神や仏ではありませんか。そして今は見えない未来が、見えてくることを確信させてくるものです。

仏教では、「如来加持力」と言って、御仏が私たちの信仰に、大慈悲を持って力を与えてくださると言われています。また「念彼観音力」と言って、観音様は、いつでも、どこでも居てくださり、観音様の念じる御力によって、困難、苦難、災難から私達を救ってくださると観音経に書いています。

キリスト教徒あろうが、仏教徒であろうが、信仰こそが幸福な人生を歩むための道しるべではないでしょうか。信仰にこそ、神仏が与えた「愛」があり、「慈悲」があるのです。神仏から与えられた愛や慈悲を私たちは他の人々あるいは生きとしいけるものに与えなければなりません。

それが利他行であり、布施であるのです。「無財の七施」をご存知でしょうか。「無財の七施」とは、一に身施です。体を使った奉仕です。ボランティア活動もそうでしょう。二に心施です。思いやりの心で接することです。三に眼施です。やさしいまなざしでなごやかにしてくれます。四に和願施です。いつも柔和な笑顔でいることです。五に言施です。思いやりのあるあたたかい言葉をかけることです。六に牀座施です。席をゆずってあげることです。七に房舎施です。一夜の宿を貸すことです。

この利他行は、いつでもどこでも誰でも、日常生活でできることです。この利他行こそ運命を好転させる善因善果の法則であり、真理なのです。利他行それは「以我功徳力」と言って、徳を積むことによって、私達に力が与えられ、自分の運命をも変える力が与えられ、他の人のためにご奉仕できるのです。

与えられたいのち、与えられた人生を幸福といえるように送るためには、天・地・人の道理と自己の修練と神仏の御力によって生かされていることに気づき、日々精進することではないでしょうか。謙虚な生き方こそが、幸福な生き方なのです。

それでは読者の皆様様のご健康とご幸福をお祈りしつつ、南無　合掌礼拝　徳温禅月。

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