3月20日に大分県日田市月出山井戸端交流サロンで、月出山岳山頂にある二十八宿遥拝所宝塔の由来についてお話しする機会をいただきました。伝えたかったことは多々ありますが、安政4年(1857年)に建立されたこの宝塔が、貴重なものであり、当時の庄屋さんを始め、住民の皆さんの思いと信仰の賜物であることです。
願い主として連名で宝塔に掘られている庄屋さんの佐藤久兵衛さんと大谷嘉作さんは、森藩と西国筋郡代へ建立の許しを乞うたと思いますが、どのようなお気持ちでこの宝塔を建立したかを考えると、並々ならぬ決意と相当な覚悟があったと思われます。なぜなら宿曜経は門外不出と言われていたからです。建立にあたって、十分な宿曜経の知識と、制作にあたり熟知した僧が指導したものと思われます。
宿曜経の二十八宿とは何を言っているのでしょう。それは人がセックスの所産でのみで「いのち」を得るものでなく、太陽と月と星(28宿)のエネルギーをいただいて、ひとりひとりの宿命と本性と能力を形づくっているということを言っています。
次に、二十八宿遥拝所宝塔は、宿曜経に基づいて作られていますが、このお経は時代をも予言することができたのです。
安政二年(1855)安政の大地震、
安政四年(1857)二十八宿遥拝所宝塔建立
安政五年(1858)安政の大獄、
安政六年(1859)吉田松陰らが処刑、
安政七年(1860)桜田門外の変で大老井伊直助暗殺。
安政の大地震は、現在問題視されている南海トラフによる大地震で、大津波が関東から九州に至るまで打ち寄せてきました。この年から日本国中が天変地異で大飢饉にみまわれたでしょう。
かねてより、仏教とりわけ密教信仰の強かった月出山一帯の庄屋さんたちには、宿曜経を教えられていたのでしょう。今起きている災い、これから起きるであろう災いを消災する必要があったのです。(宿星の凶を消し去る「消災妙吉祥陀羅尼」は、禅宗、真言宗、天台宗で毎日読経されます。)
2011年3月に東日本大震災が起き、2012年7月の北部九州大水害で日田地方も甚大な被害が生じました。月出町など東有田地区の皆さんが、災害復旧と復興へのイベントとして2013年に全国難読山サミットを開催し、月出山岳山頂の整備も行いました。これによって、たまたま宿曜経を研究していた小生とこの宝塔との出会いがあったのです。
そしてこの宝塔がよみがえったのです。これこそご縁であり、ご先祖の方々の思いが伝わってきます。現代と安政の時代と比較してみましょう。
2011年東日本大震災 安政二年(1855)安政の大地震
2012年北部九州大水害
2013年全国難読山サミット・月出山宝塔の復旧修理 安政四年(1857)二十八宿遥拝所宝塔建立
非常に酷似していると思いませんか、口伝によりますと、今年は貴人、要人の方が亡くなります。また来年は日本を巻き込む戦争が起きる可能性があるとも言われています。
これを回避するには、神仏に祈ることです。二十八宿遥拝所とは、二十八宿星の御仏をお祈りするところなのです。宿曜経研究家の小生には、差し迫ってくる危機をよみがえった宝塔が知らせてくれていると思われてならないのです。
私たちは、物質文明を享受していますが、それらも戦争が起きればすべて崩壊してしまうのです。世界の宗教が、「殺すなかれ」と言葉のもとに、今こそほんものの信仰に立ち返る時ではないでしょうか。
このブログで皆さんに、お伝えしておきたいと思いました。それでは世界が平和でありますように、皆さんが幸福な日々がおくれますようにお祈りしつつ 南~無 合唱 礼拝 徳温禅月。
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別府総合研究所・禅月庵 徳温禅月 HP:http://www.beppusoken.com
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