2015年9月18日金曜日

運命はどうすれば開かれるのか?Ⅲ~三力偈~

 おはようございます。
先般からお話ししている通り、まずは「宿曜経」によって、自分の本性(性質、性格、能力など)を知ること、「陰隲録」に書いたある通り、宿命は変えられないが、運命を変えることができるし、切り拓くことができます。

次に「自利利他」という言葉ありますが、自利とは自分の利益ではなく、自己を磨くことです。自己を磨いて、利他という、他人のために奉仕することです。この精神に立って、六波羅蜜を実践することが修行です。

では、六波羅蜜を実践する、修行する、運命を開らく努力をするのに、何が必要なのでしょうか。それは弘法大師空海さんが伝えてくださった秘法「三力偈」です。

「三力偈」    さんりきげ
以我功徳力  いがくどくりき
如来加持力  にょらいかじりき
及以法界力  ぎゅういほうかいりき
普供養而住  ふくようにじゅう

以我功徳力とは、自分が最大限努力すること、功徳を積むことです。善行を実践することです。つまり自力です。

如来加持力とは、如来である御仏が力を与え、また御仏が働いてくださる、つまり他力です。

御仏に思いが届くにはどうすればいいのでしょうか。それこそ、お経、真言、陀羅尼を声明することです。特に、摩訶般若波羅蜜多心経、妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈、十三仏御本尊御真言、光明真言、消災妙吉祥陀羅尼などを唱えることをお勧めします。

お経を葬式や法要の時だけの道具にしてしまったのは仏教界の責任だと思うのは私だけでしょうか。

及以法界力とは、以我功徳力と加持如来力が相応する場が法界であり、法界力とは、天地宇宙に遍満する大自然のエネルギーと人間界の縁が働いているのです。普供養而住とは、広く普く周辺に供養を及ぼす心を保ちますと言う意味です。

私たちが、この三つの力の真理を知って物事を行うのと、知らないとでは雲泥の差が出てきます。世の人々は、自分は努力したが目的を果たせなかったと言いますが、自分の努力だけで大きな仕事はできません。

天地宇宙と人間界と一体になる場において、如来である御仏の御力をいただくことにおいて、自らの人間的努力の積み重ねによって、運命は開かれ、物事は成就するのです。


それでは皆様方のご健勝をお祈りして、南~無 合掌礼拝 徳温禅月。






0 件のコメント:

コメントを投稿