2013年7月2日火曜日

座禅のススメⅡ-温泉禅ーひびきの郷

 おはようございます。
昨日、午前中に仕事を終わらせ、大分県日田市大山町にある「ひびきの里」に行きました。大山町は、あの有名大分県の一村一品運動の発祥の地で、当時「ももくり 植えて ハワイに行こう」という合言葉が流行った町です。

今、諌山 創さん(26歳、漫画家)の「進撃の巨人」(2000万部)の原画展があり、こんな若手がいたのかとびっくりしました。発想がすばらいいですね。大山の自然が、巨人をはぐくんだのかも知れませんね。他にも、日田市出身で漫画家久世みずきさんがいますが、彼女のイラストなどもみずみずしくて素晴らしいですね。

梅雨の晴れ間のひびき谷  一句「進撃の 巨人もつかる ひびき谷」

さて、わたくしは、ひびきの郷 梅の香温泉「なごりの湯」につかり、いつもの温泉禅を楽しんだわけです。ここの露天風呂には、ちょうど胡坐座で座れる岩がみっつあり、座禅をするのには最適なのです。

温泉禅は、まず湯につかり、手で首から肩、両手、胸、腹、そして両足を、さすります(血行が良くなる)。つぎにゆっくり、肩を内側から、外側から、10回づつまわします。首を前後左右に10回づつまげ、最後に首を右左に5回づつまわします。わたしは、PCで執筆するので肩こりがひどいのですが一発でよくなります。

今日は、「のごりの湯」の露天風呂のちょうどよい岩の上に、半水浴くらいかな、半跏趺座か胡坐座で座り、それは温泉内では浮力があるためです。両手は両足の上に置き、チン・ムドラ(二指で円をつくり、三指は伸ばす手印です)です。

温泉が流れてくる下に座禅に最適の岩があります。

肩の力を抜き、氣を丹田に静め、大きく吐いて一息します。半眼でもよいし、つぶってもかまいません。チン・ムドラをしていますので、眠たくなりません。温泉禅のよさは、温泉のミネラルを肌と呼吸から吸い取ることができることです。

ここの露天風呂が温泉が小川のように流れていますので、そのせせらぎに集中します。いい音ですよ。ときには、小鳥が飛んできますので、小鳥のさえずりを聞きます。そこで自然の中にひたり、自然と一体になるのです。いいでしょ。

これを10分前後しますが、あがって本を読み、また入りと3回繰り返しますので、昨日は2時半に入り5時に出ました。「なごりの湯」の温泉禅は最高でした。この湯は、単純泉で、打ち身や疲労回復の効能があり、温泉禅とミックスすれば効果倍増ですね。

2013年7月1日月曜日

座禅のススメⅠ-早朝座禅ー

 おはようございます。
座禅を続けて、10年近くになりますが、宗教とは何かと疑問を抱きながら、キリスト教、仏教などの勉強を25年間してきましたが、一番落ち着くのはやはり「座禅」でした。静かに座る、ただそれだけです。

しかし、現職中にも、仕事上や生活上の問題を抱えていましたが、まず座禅をすることで、悩みこむことなく、感情的にならず、問題解決へと向かって行ったのではないかと思います。このブログを通して、現代人が抱えている競争社会の中における、ストレスから来るうつ状態や精神疾患をなくすために、座禅をおすすめしたいと思います。

一番わかりやく、読みやすい本は、中野東禅先生の「心が大きくなる座禅のすすめ」(知的生き方文庫三笠書房)でしたので、みなさんにご紹介します。

私は、毎日早朝5時半よりしている早朝座禅をご紹介しますが、昼間の雑念を取り除くために、ベットに入る前に、ベットに座り、「今日一日ありがとうございました」と感謝を述べ、ベットにはいってする「寝禅」をお薦めします。正式には「仰臥禅」といいます。

ベットにはいり、すこし足を広げ、手は腹の上に組みます。そして「ひと~つ、ふた~つ、みぃ~つ・・・とお~」と心の中で数を数えながら、呼吸をします。ですからひと~つと言った時に息をはき出し、吸い込んで、ふた~つではき出し、と呼吸をゆっくり整えて10まで数え、繰り返していると自然に寝ています。どんなストレスのある人でもいつの間にか寝ています。睡眠導入剤などの薬にたよる必要はありません。

朝の目覚めもよくなります。私は5時半に起きて、歯を磨き、顔を洗い、半畳の畳の上に座り、お香を焚き、合掌し、足は半跏趺座に座り、両足の上に、両手を置き、二指で円をつくり、三指をそろえ、まっすぐに伸ばすチン・ムドラで、左右に腰を伸ばします。

半跏趺座・法界定印による座禅

そして低頭合掌し、足は半跏趺座、手は法界定印で、深く一息つき、座禅に入ります。。まず、目は2m先を見て半眼です。意識を集中するために、早朝の鳥の鳴き声などを聴き取ります。体を調え、呼吸を調え、こころを調えるのです。最初は5分間くらいからで結構です。だんだんと、自然に20~30分間くらいできるようになります。それぞれの宗派がございましょうから、DVDでお経を聴きながら座禅するのも落ち着きます。

座禅が終わったら、低頭合掌し、私は、お経(般若心経)をあげ、災害で亡くなった方、世界各地の戦争でなくなった方、飢餓でなくなった子供たちのご冥福をお祈りします。そして私達から災難を取り除いてくださるように神仏にお祈りします。今日一日の無事をお祈りします。

この約50分ほどの時間は、もっとも大事な時間であり、それは習慣化できて、感謝なことです。皆さんもやってみませんか。山折哲雄先生が「早朝座禅ー凛とした生活のすすめ」(祥伝社新書)を書いていますので、ぜひご一読ください。

2013年6月28日金曜日

それでも生きてゆこうよ!

  おはようございます。
青年会議所時代の先輩(65歳)が自死しました。そして、息子達の友人(35歳)が自死しました。私が自殺と書かないのは、いままで世間では自殺と言ったきましたが、身近な人の死をとおして、人間は自分を殺せるのかと思ったからです。だから彼らが死をえらび、向こうに行ってしまったので、お経をあげ、ご冥福を心からお祈りしました。

日本では、1998年から年間約3万人以上の方たちが自らのいのちを絶っています。アメリカも約4万人の方が亡くなり、中国では約20万人以上とも言われ、韓国は約4万5千人で自殺率が世界トップなのです。この傾向が世界各国に起きているのはなぜでしょうか。田原総一郎氏は日本人の自殺が多いのは、日本人の宗教的特性と言いましたが、違うんではないですか。

むしろ、政治は硬直化し、経済は停滞し、宗教は形骸化している世界を現しているように思えてなりません。それぞれの理由で、自死を選ぶわけですが、やはり、個人をここまで追い詰めていく社会に責任があると思います。

20世紀の世紀末から世界をおおう、異常気象による天候不順、世界経済の危機的状況、多くの人々が未来への希望をなくし、生活は悪化し、絶望のどん底にうちひしがれている。人類は自ら課した問題の解決能力はあるのか。神仏は救ってくれるのでしょうか。

まず自ら課した問題、異常気象、その一因が地球の温暖化にあるなら、その原因であるCO2の排出を減らすべきでしょう。同時に福島原発事故は、原子力発電いわゆる核というものを人間は制御できないことを教えてくれました。原発はやめないといけないしょ。

自然再生エネルギーへの転換を計るべきだし、私達ひとりひとりも電気使用を減らす努力しなければなりません。原発反対と言いながら、エアコンはつけっぱなし、水道の蛇口をすぐにしめない、家に太陽光発電を設置しない人を信用しない。アルゴア元副大統領みたいに、年間約300万円の電気を使用している人を信用しないし、彼は所詮、国民の痛みはわかっていない。

次の自ら課した問題、世界経済の危機的状況。確かに経済の発展によって、物質的には豊かになったが、デフレだインフレだとマスコミが情報を垂れ流し、金投資だ株式投資だと右往左往している、雀の涙ほどの儲けに一喜一憂している。市場に翻弄されているのが現状です。そして政治は制度をかえなければ何の変わらないのです。(直接民主主義制度への移行)

20世紀末から21世紀に価値観の転換を神様から迫らているのではないですか。それは「知足少欲」です。企業は業績拡大を追い求め、個人はあれがほしい、これがほしいと限りのない欲望の奴隷となっている。そうではなく、ロレックスの時計やルイビトンのバック、そして美食で自己満足するのではなく、「知足少欲」つまり、足るを知って、欲望を少なくする考えを持ち、実行することではないでしょうか。世界経済も拡大成長ではなく、質的成長(それは停滞ではない)に方向転換すべきだと思いませんか。

そして、宗教の形骸化です。真の宗教は、仏教なら妙好人(浄土真宗など在家信者)の生き方やキリスト教ならプロテスタント聖徒の覚醒にこそあるのです。宗教にお金が要ることはないでしょう。宇佐神宮にお祈りをしたいと思って行ってもお金は取りません。今こそ宗教の原点にかえる時なのです。それは神仏に触れ、神仏と語らい、神仏から啓示をいただくことです。

人間が神を恐れず、核をつくり、遺伝子にも手を出すほど人間って偉いのでしょうか。世界のどこでも、宗教であるおおもとの教えで、おおもとつまり神仏を敬い、祈りを捧げることを通して、人間は生きてきたのです。今、神様から人間よおまえは何様かと言われているのではないでしょうか。私達一人一人が、神と共に自然のなかで生き、希望にみちた世界、地球になるように努力しましょう。

2013年6月27日木曜日

国会議員への怒りと憤りと失望

 おはようございます。
昨日の参議院における首相問責決議によって、重要法案を廃案にしたことに、怒りと憤りと失望を覚えました。参議院議員が廃案した重要法案は以下のものです。

◇廃案になった法案・条約承認案

 ●政府提出法案(4件)

・電気事業法改正案

・生活保護法改正案

・生活困窮者自立支援法案

・海賊多発海域船舶警備特別措置法案

 ●議員立法(2件)

・水循環基本法案

・雨水利用推進法案

 ●条約承認案(6件)

・日中韓など投資協定5件

・日印社会保障協定


長い時間をかけ、審議し、首相が予算委員会に出席しないのは憲法違反だと主張し、首相問責決議をし、国民生活に係る重要法案を廃案にしてしまった。これは仕組まれた政争であり、与党も敵に隙をみせてはいけないことを身に染みたと思いますが、国民はたまったものではない。

野党第一党の民主党は、重要法案の可決が先だと昼まで言っておきながら問責決議を先行させ、、このように国民を裏切るような言動がどれだけ選挙に影響するか、都議選の結果を反省することなく、今やていたらくな政党になってしまったのかさえ、わからない国会議員の先生たちには、何の期待もすることはできない。(2大政党としての民主党に期待していたのに)

環境問題やエネルギー問題を是正していくための「電気事業法改正案」をまた半年延ばすのですか、生活に困っている国民を救済する「生活保護法改正案」「生活困窮者自立支援法案」はどうするのですか、いつのするのですか、今でしょ。国会議員の先生たちはエアコンの入った部屋で涼しい顔をし、高給をもらい、税金の無駄使いをぬけぬけとしているんじゃないですか。国民は暑い中、一生懸命働いて、熱中症にかかっている。神様は許さないと思いませんか。

まず、国会議員は半分に減らしてどうですか。これは国民投票で決めましょう。どうせ国会では決まらないのですから。そして国会議員も国家試験をしてはどうですか。

憲政の神様と言われた尾崎行雄氏は、「国よりも党を重んじ、党よりの身を重んじる 人の群れかな」と言ったそうです。国会議員の先生方は、何もわかっていない。国民の心情も生活もわかっていないと思いますが、皆さんはどう思いますか。

「国というものがわからない」と言った元首相(この人のご両親はなにを教えたのでしょうか)が、中国に行っていいかげんなことを言っていますが、国益を著しく害した公人は訴えることはできないのでしょうか。

国家と国民、日本人の宗教観、日本人の依って立つべき哲学・思想がわからない人が国会議員になったり、首相になったりすることは許されるべきものでしょうか。国民は選挙でしか行使できませんので、この選挙を有効に使いましょう。

救われるのは、日本の首都東京、都議会選挙で、都民が正しい結果を出したことではないでしょうか。自民党が圧勝するのは誰もわかっていたでしょう。それより社会福祉などに力を入れている公明党や、批判政党として信念をもっている共産党が躍進したことが都民の高い政治感覚レベルを証明したものではないでしょうか。私はいわゆる保守ですが、共産党の人は、誠実な人が多いなと最近思っています。つまりウソをつかないと言うことです。ウソつきは泥棒の始まり。

いわゆるマニフェスト、選挙公約にだまされないように、国民は公約が民意を反映しているか、そしてそれは実現可能なことかをしっかり考えて、ぜひとも投票にいきましょう。地球環境も待ったなしです。グローバルな世界、企業も、国も、スピード感のないところは、衰退あるのみなのです。




2013年6月26日水曜日

「2052・・・」を読んでⅤ-エネルギー問題ー

 おはようございます。
「2052ー今後40年のグローバル予測ー」を読んでよかったと思っています。ヨルゲン・ランダース教授は、真摯にこれから40年の未来への提言をしていますし、各プロフェッサーの意見も参考になりました。私はこの本からの抜粋をしなかったのは、他にどのような意見があるかを知りたくて、ネットで調べました。大変、多くの方が、21世紀の将来について研究し、提言してことがよくわかりました。

私達、日本人は東日本大震災、福島原発事故で多くの方のいのちが奪われた事実に直視し、子や孫に、この国とこの世界を託さねばなりません。そのことは一部の政治家や官僚に任せているだけでは解決しないのです。私は有効な手立てを考えているし、一市民としてこれからも提言していきたいと思います。

これまで、述べてきたように、人口問題、食糧問題、エネルギー問題はすべて地球環境の問題に帰すると思っています。これらは密接に連関し、相互に問題の発生と解決を有しているのです。


ネットから隅田 勲博士の論文「迫り来るエネルギー危機」の導入部分だけを抜粋していますが、ぜひともネットで全文をじっくりお読みいただくようにお願いします。隅田先生の意見に賛成します。

世の中何かおかしいと感じませんか?(H23.5.15一部改訂)

最近、グローバリゼーションやグローバル・スタンダード(世界標準)、また、自由競争に基づく市場経済などが世の中の新しい方向として語られています。 しかし、その結果として出現した制限のない自由化と金融資本主義化への流れが社会を揺さぶり始めていることも確かです。 金融恐慌の引き金となったサブプライムローン問題は、何でも金融資産化するという自由化の流れの一つといえます。 新聞の社会面には働いても働いても生活に追われるワーキング・プアと呼ばれる人達やマンガ喫茶難民の話が増え、街にはコンビニ強盗や引ったくりが横行し、振り込め詐欺は巧妙化するなど暗い話題ばかりです。 一方、政治・行政の世界では、醜い政権争いに加え、不透明な政治資金処理、公務員の天下りや渡り、消えた年金問題、裏金疑惑、さらに談合、汚職などのニュースが目白押しです。 どうも、この世はお金が主役の「品格」のない無責任社会に変貌しつつあるかのようです。
 さらに、長引く不況と度重なる金融危機は「賃金デフレ」を招き、格差社会を広げた結果、生活保護者が200万人を超えています。 また、格差は、個人だけでなく、豊かな都会への人口集中が起きる一方で地方は老齢化が進み、破産寸前の地方自治体が増えています。 しかし、国は効果的な対策を出さず、困窮する田舎の行政も自らの方向を見極めることなく、都会と同じ経済成長を望んでは傷を広げているように見えます。
 しかし、この間にも、地球環境はどんどんおかしくなっているようです。 日本が冷夏のとき、ヨーロッパは酷暑になったり、日本が暖冬で雪がないのに北米を寒波が襲ったりしています。 また、ハリケーン、サイクロンや竜巻が多発したり、大規模な山火事の発生のニュースも多く耳にするようになったと思いませんか? さらに、最近は雨が降ればゲリラ豪雨、雪が降れば豪雪というケースが増え、都会の ヒートアイランド化も進んだようで、気象の変化は年々激しくなっている印象です。 身近な環境を眺めても、明らかに豊かな自然は減り、荒廃した山は保水力を失って地滑りや陥没などが増えています。 その結果、森の食料を失った猪、猿、鹿、熊などの動物が里に下りてきて農作物を荒らす問題が各地で頻発しています。 海は海で、温暖化の影響からか本州近海にサンゴが生息するように大きく環境が変わりつつあることを感じさせます。
 このような状況にも拘らず、世の中は地球終末時計が人類滅亡まであと 5分と報じ、地球環境に関して環境危機時計が残り 3時間を切ったことを報じても、まったく無反応で、動ずる気配はなく、ましてや、その原因が膨大な化石燃料消費によることを一向に気にしていません。 その証拠に、政府はせっかく取り決めた炭酸ガス排出量の削減目標をつぎつぎと先送りするだけです。 一方、国民は炭酸ガスの排出量を低減する技術が開発されたという報道が流れると、全てが解決したかのように安心し、エコ製品が売り出されれば、今使っているものを捨てて買いに走り、石油、天然ガスの枯渇が騒がれれば、食糧への影響には頓着せず雪崩を打ってバイオ燃料に向かい、休日の高速料金が値下げになれば、排出する炭酸ガスのことは考えずに車で走りまわる有様です。
 この様な状況で、われわれが望んでいる?豊かで安全で持続的な社会など本当に実現できるのでしょうか?

複雑に絡む現代社会の課題も根っこは1つです

現在、人間社会のかかえる問題については多くの意見や対策が公表されています。 よく知られているものに電力中央研究所を中心とする「トリレンマ」の考え方があります。
トリレンマ-1
これは、現在のままの文明社会を継続するならば、21世紀には人類が望む「経済の発展」・「資源・エネルギーの確保」・「環境の保全」という3つの目標を同時には達成できない(トリレンマ)ことを指摘しています。
 さらに、「トリレンマ」の克服には、発想、価値観を変えて、3つの目標(項目)に対してバランスを保った持続可能な地球文明に帰ることが必要だと主張しています。 次の図は「トリレンマ」の構造を示したものですが、これをもとに問題の本質が何なのか考えてみます。
 3つの目標のうち、「環境の保全」が必要となるのは人間の経済活動による自然破壊が原因であることは疑いのない事実です。 つぎの「経済の発展」は「豊かな社会・豊かな人間生活」を目指す活動であり、現在の社会では大量生産・大量消費・大量廃棄によって支えられています。 最後の「資源・エネルギーの確保」は前二者を実現するために必要なものです。 すなわち、経済の発展に伴う大量生産・大量消費・大量廃棄は多量の資源・エネルギー消費を伴い、このエネルギー消費によって環境破壊が加速されているという繋がりになっています。 しかも、悪化した環境の回復・保全には、さらに大量のエネルギーが必要となる事実が隠されています。
 結局、トリレンマは経済発展により人類が「豊かさ」を追求した結果に対する請求書であり、大切なことは「豊かさ」を追求する全ての過程が、「エネルギー」に支えられていることです。 すなわち、「トリレンマ」の本質は、「エネルギー問題」だということができます。
 次の図は、3つの互いに矛盾する目標に対して関連する国や地域を具体的に考え、その機能を書き加え、さらに、この3つの項目の間を移動するエネルギー・資源、もの(財・商品)、お金の流れを示したものです。
トリレンマ-3
図から”お金”が流入するのは、まず、資源国であり、ついで国際競争に勝った経済成長国(とくに、都市部)といえます。 他方、豊かな自然環境を持つ低開発国や経済成長国でも地方は、外国や都市からエネルギー、もの(商品)がおおむね一方的に流入し、対価として”お金(あるいは資源)”が都市や経済成長国に出てゆく構図になっています。 これでは自然環境を守る力は失われる一方です。
 この一極集中へ向かう競争社会への流れは、金融資本主義と市場主義経済を基盤としたグローバリズムの流れにほかなりません。 さらに、経済成長している都市でも”お金”の分配は一様ではなく、ここでも内部には一極集中化の傾向が見られ、格差社会を生み出しています。 それにもかかわらず、われわれは、さらなる豊かな生活を望んで、ひたすら経済成長を目指しているのが現状です。

現代社会の課題を解決する基本は、まず”エネルギーの視点”です

「トリレンマ」の議論から、われわれの抱える問題は、まず、”エネルギー”と深くかかわりを持つことが理解できると思います。 しかし、われわれの周りを見ると「エネルギー」ではなく、ひたすら”おカネ”を追いかけていて、これが格差社会という問題を生み出していることも確かです。 本当に”おカネ”だけあれば、”豊かさ”は手に入るものなのでしょうか?
 たとえば、わが国はカロリーベースで約 60%の食糧を外国から輸入していますが、その外国が異常気象などで不作になったり、作物のバイオフューエルへの転換を進めたりして輸入食糧が不足するとどうでしょうか? まず、食糧の価格は高騰し、最後は恐らく大金を積んでも食糧が手に入らなくなるでしょう。 しかし、日本の場合は、減反政策などで多くの田畑は転用されたり、荒れた休耕地になっています。 たとえ必要な面積の田畑が確保されていたとしても、再び、米や麦を生産するには多くのエネルギーと時間が必要です。 このように、今後、食糧やエネルギー環境が危機的状況に近づいたときに、おカネだけで豊かな生活を維持するのはかなり難しくなってくると思われます。 さらに、悪いことに金融資本主義のもとでは、最近の金融危機の対策によってだぶついた投機マネーが利潤を求めて、食料・エネルギー分野に流れ、問題をより極端に、かつ深刻にしているのは、ご存知の通りです。
 確かに、われわれの豊かな生活は物質文明によって支えられています。 その基本となる”もの(商品・財)”は素材とエネルギー(どちらも有限な地球の資源です)を使って作られています。 素材もエネルギーの助けを借りなければ入手できませんから、とにかくエネルギーがなければ”もの(商品・財)”はできません。 一方、お金は流通のための手段ですから世界に”もの”が溢れているときには有効です。 しかし、食糧危機の例のように、ひとたび”もの”が不足すると、その価値を失います。 すなわち、常に、全ての”もの”がおカネで買えると考えるのは錯覚で、豊かな生活を維持するには、おカネよりエネルギーを(身近に)確保すべきなのです。 今回の東日本大震災でも、被災地からの救援物資は、まず食料、次にガソリンであったことからも、われわれの生活がいかにエネルギーに依存しているかが良く判ります。
しかし、われわれはこの大切なエネルギーを空気のように浪費するばかりか、自らの環境を破壊するという大きな過ちを犯しているように見えます。」ーネットより一部抜粋ー

 
自然豊かな大分県日田市天ヶ瀬町山浦

まず、原子力発電については、事故後の回復が不可能、廃棄物の処理ができないことを考えれば、脱原発すべきだと思いますので、何年後に廃炉していくのかの道筋をつけて、エネルギーの転換をしていくべきだと思います。同時に、化石燃料に依存した火力発電も、自然破壊をもたらすのです。

21世紀の人類が持続可能なエネルギーは、水力、風力、地熱、太陽光などの自然再生エネルギーでしかないのです。隅田博士が言うように、スモールイズビューティフルという考え方を持つべきです。過度な経済成長による豊かさではなく、地産地消型経済でつつましく凛と生きる幸福感を持つべきだと思いませんか。

日本の世界の中の地位は、OECD加盟国の名誉ある一員であり、これらの国と連携し、自然再生ネルギーを促進し、地球温暖化を止める努力するべきだと思います。特にドイツに見習うべきだと思います。

また、ASEANやアフリカ諸国などは、ブータンをモデルにて、自国民の幸福とは何かを考えるべきだと思います。大国であるアメリカ、中国、ロシアは、早急に自然再生エネルギーへの転換をしなければならないときに来ていると思います。これらを統御する国際機関は、国連だと思います。

一部の人たちだけが地球の資源の恩恵を受け、多くの人が貧困と飢餓にあえぎ、その犠牲の上になりたっている世界はそう長くは続かない思います。だからこそ、人類はその英知を集め、諸問題を解決していく努力を惜しむことはないのです。必ず問題は解決するのです。

それには、私達は生きている地球のうえに住んでいる、地球の大自然に生かされている、すべての生物とともに共存・共生している、お互いに分かち合うという根本の思想をすべての地球人が持つべきだと思います。

最後に、「迫り来るエネルギー危機」や「2015-今後40年のグローバル予測ー」を読んでいただきたいと思います。

2013年6月25日火曜日

「2052・・・」を読んでⅣ-食と食糧問題ー

 おはようございます。
一般的な食糧問題を、食と食糧と書いたのは、食糧というと何か餌みたいに聞こえませんか。それぞれの国に食の文化があり、その食文化によって国民の健康が維持されているのです。桜沢如一氏(1893~1966)が身土不二を提唱し、それがマクロビオティックとして全世界に広まっています。

身土不二の原則とは「人類・動物植物ーあらゆる生命現象は、その環境、風土の産物です。私たちは人間は‘生活しているその土地にできる、その季節のもの‘を‘正しく‘たべることが、心身の健康の大条件です。」と言っています。

ですから、日本人は日本の四季折々の食材をいただくことが、自然な食なのです。暑いときは、体を冷やしてくれるお野菜が育ちます。寒いときは、体を温めてくれる根菜食が育ちます。寒いときとにお野菜がいいからと、レタスやキュウリばかりでは体は冷えるのです。身土不二とはそのような意味です。なぜそうなのか興味のある人は、「生命現象と環境」桜沢如一著をお読みください。

食糧問題は、各国の食文化であり、食糧をただ単に生産物として扱うのは間違っていると思いますが、皆さんはどう思いますか。

食糧危機についてウキペディアには以下のように書いています。
「有体に言えば「食糧不足が危機的状況に達すること」(ないしそれに対する懸念)であるが、食料の不足はすなわちこれを消費する社会全体に影響を及ぼし、社会体制の現状維持が難しくなることなども懸念される。
これらの発生要因として21世紀初頭の現時点で懸念されているのは、人口爆発、自国の低い自給率の地域(たとえば日本では40%)が貧困に陥り食料輸入が困難になること、世界的な異常気象による不作地球温暖化の影響による気候の大幅な変動、世界大恐慌など経済的な混乱、バイオ燃料への過剰な転換による食糧生産能力の低下などであるが、また食糧不足から穀物商社による寡占といった価格高騰の連鎖的な反応も懸念される。
特に人間が生活に必要な活動エネルギー(生理的熱量)を得るための穀物およびなど主食作物の生産に関する問題や価格高騰は、これに依存して生活する側の生活を困難にさせ、社会構造の維持が困難になると考えられる。」

「2052・・・」には、世界の食糧生産は、問題がないように書いていましたが、ユニセフによりますと現在も毎年約230万の子供たちが栄養不足で死亡している現状と、これから人口増加、温暖化による異常気象がもたらす干ばつや洪水などの災害を考えるならば、食糧が足りるとするのはあまりにも楽観的ではないでしょうか。

特に日本の自給率は低下し、食糧の確保は輸入に頼らなければならないことを異常と感じるかどうかです。まず日本の農業を持続可能なものにしていくこと、日本人の食文化にもどること、廃棄するようなことをしないこと、高くても地産地消に徹することが、食と健康を保つことができるのではないでしょうか。そのことが世界の飢餓を救うことでもあります。

アメリカのような農産物を大量生産をすることが、食糧の確保と安全に帰するとはとても思えません。過度の農薬や遺伝子組み換えによる生産は、商業主義の悪しき弊害だと思いませんか。

いわゆる発展途上国への食糧支援は、ダム建設による農業用水の確保や農地の開発、農産物生産指導により、その国で生産できるようにしていくことであり、魚をやるのではなく魚の取り方を教えるべきだと思います。水産業も養殖しか生き残れないと思います。

水の問題も食糧のひとつであり、海水の淡水化技術や水のリサイクルなどを進めていく必要が多々あるのです。地球環境と人口そして食糧そしてエネルギー問題は密接に関連しているのです。ではあなたはどうするのかを考えてみましょう。













2013年6月24日月曜日

「2052・・・」を読んでⅢ-人口問題ー

 おはようございます。
昨日は、ほんと梅雨だなと思わせる日曜日でしたが、沖縄では「慰霊の日」追悼式がありました。

朝日新聞より
「沖縄戦の全戦没者を悼む「慰霊の日」追悼式で、日本のいちばん西にある小学校、沖縄県与那国町立久部良(くぶら)小1年の安里有生(あさとゆうき)くん(6)が、自作の詩を一生懸命読み上げた。最近ひらがなを習い終えたばかり。県平和祈念資料館が募った「平和のメッセージ」に寄せられた1690点の中から選ばれた。

    ◇へいわってなにかな。ぼくは、かんがえたよ。おともだちとなかよし。かぞくが、げんき。えがおであそぶ。ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる。けんかしてもすぐなかなおり。ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。みなとには、フェリーがとまっていて、うみには、かめやかじきがおよいでる。やさしいこころがにじになる。へいわっていいね。へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。せんそうは、おそろしい。「ドドーン、ドカーン」ばくだんがおちてくるこわいおと。おなかがすいて、くるしむこども。かぞくがしんでしまってなくひとたち。ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。このへいわが、ずっとつづいてほしい。みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい。へいわなかぞく、へいわながっこう、へいわなよなぐにじま、へいわなおきなわ、へいわなせかい、へいわってすてきだね。これからも、ずっとへいわがつづくようにぼくも、ぼくのできることからがんばるよ。 」

じ~んと来ました。沖縄戦では四人に一人が犠牲になりました。大河ドラマ「八重の桜」で、白虎隊など多くの若いいのちが奪われる描写と重ねあわせました。国のリーダーの舵取りが、いつの時代でも、国民のいのちを左右しているのは事実です。そのようななか、東京都議選も行われましたが、予想どおりでした。自民党が圧勝するのは時勢ですが、批判票を取り込んでいるのが共産党であり、みんなの党で、公明党も与党内では大事な役割をはたしています。このあたりに収斂していくのではないでしょうか。

さて「2052」を読んで、人口問題を考えたいと思います。ヨルゲン・ランダース教授たちは、比較的温厚で、楽観的に予測されていますが、国連の調査によりますと、

「2年ごとに国連は将来人口推計を発表している(日本は5年ごと)。国連の人口推計の2010年改訂が2011年5月に発表された。

 今回ははじめて2100年までの将来予測がなされた。2100年の世界人口の予測は101.2億人である。2083年に世界人口は100億人を越えると予測されている。

 なお、2050年の世界人口の予測は93.1億人であり、前回予測(2008年改訂)の91.5億人、前々回予測(2006年改訂)の91.9億人から若干の増加となっている。

 長らく人口大国といえば、第1に中国、第2にインド、そして第3位は米国という順であったが、2100年には、インドが中国を抜いて第1位となると予測されている。かつて大インドを構成していたパキスタンとバングラデシュも人口をかなり増加させ、パキスタンはブラジル、インドネシアを抜いて世界第4位に躍進すると予測されているので、南アジアは世界最大の人口集積地となる(図録8280参照)。

 この他、人口順位を上昇させる地域としてアフリカが目立っている。現在、アフリカの中で10位以内に登場しているのは、第7位のナイジェリアだけであるが、2100年には、ナイジェリアが世界第3位に躍進するとともに、タンザニアとコンゴ民主共和国が10位以内に登場すると推計されている。

 日本の人口規模上の地位は、1950年には世界第5位、2010年には世界第10位であったが、2100年には世界第17位と大きく地位を低下させると予想されている。

 2010年から2100年にかけての人口増減率を見ると、世界全体では46.8%増、すなわち5割増弱となっている。タンザニア、ウガンダ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国といったアフリカ諸国では100%以上の増、すなわち人口が2倍以上となると推計されている。次いで、同じアフリカのエチオピアやアフリカ以外ではフィリピン、米国、エジプト、パキスタンといった国が世界平均以上の増加率を示す。

 米国は、先進国としては突出した人口増加率が目立っている。出生率の高いヒスパニック系人口の割合が増していくためと考えられる(図録8700参照)。

 世界の中のGDPシェアが大きく拡大した東アジアの日本、中国、韓国については、人口的にはすべて少子高齢化の影響で人口は減少すると推計されている。
 ドイツ、イタリア、そして旧ソ連のロシア、ウクライナなども人口減少が予想されている。」

トルコやブラジルでは、デモが大きくなり、先鋭化しつつありますが、今後人口増加に伴い、このように、各国では漠とした不安と生活不満が蔓延し、デモが多発したり、内戦になる可能性が多々あるのです。

日本は少子高齢化のなかで、どのように若い人が希望を持てる社会にするかが問われていますが、若年労働力の非正規社員扱いなどの禁止や働きながら子供を育てられる環境を整えなければなりません。

同時に、世界観や宗教観を持って、老人がこころやさしく住める社会でないといけないし、特に団塊世代がツケを次世代にまわしていけないと思います。団塊世代の人達は、職場に残るよりも、NPOなどの社会活動に取り組んで、生きがいがあり、社会のためになる活動に、人生の後半を費やした方がよいと思います。

世界的な人口の増大に伴い、問題なるのが食糧確保なのです。次回このことについて書きます。