2013年11月29日金曜日

終活~老後の生活Ⅱ・こんなにかかるの生活費~

 おはようございます。
先般、老後の生活について書きましたら、大変多くの方からアクセスがあり、すこしびっくりしました。これは何よりも皆さんが老後の生活に不安を感じているからだと思うのです。私も3年前に退職し、どのくらい生活費がかかっているのか出してみて、現代社会は生きているだけでこんなに金がかかるのかと嘆息しました。

皆さんに、お薦めしているのは、まず家計簿をつけてみることです。奥さんまかせにしているのはある意味だは無責任で、生活費のことをとやかく言うのは嫌だと思っている人が大部分の方だと思うのですが、熟年離婚になる前に奥さんと一緒にいたいなら家計簿をつけてみませんか。どれだけ奥さんに負担させていたかがわかります。

ほとんどの方は、住居費つまり住宅ローンは終わっているようですが、60歳をすぎても残額がある方は退職しないで下さい。嘱託になるとボーナスがなくなりますので、切り替えると月々住宅ローンが10万円を超えることもあります。

次に多いのは、水道光熱費です。夫婦二人でも、上下水道費が無駄を省いても1万円以上になります。水を流しながら、顔を洗ったり、食器を洗ったりしていますが、「禅」では、一杯のお湯で食器は洗い、顔もコップ一杯で洗います。


私は禅道場に行きましたので、そのように心がけでいますが、家内を見ているとそのような経験がないので、流しっぱなしなのです。現代人のほとんどがそうでしょう。水と言う資源を大切に使って欲しいと思います。これ以上言うと熟年離婚になるかも知れません。なんとか1万円以下にしましょう。

光熱費ですが、電気代に約1万5千円、ガス代に約1万以上はかかっていますね。電気もガスもこれからどんどん値上がりします。これを減らすには、無駄な電気やエアコンは付けない、こまめに消すことなど節電に心がけることです。今、60歳位なら太陽光発電・オール電化に切り替えると、光熱費が約5000円程度になり、売電分が入金されます。初期投資がかかりますが、ローン支払で、今の光熱費より安くなれば切り替えるべきです。

私の理想は、水道光熱費は自給自足で生活したいですが、本当に田舎暮らしを決意しばければできません。しかしこれからの人は、家を建てるときに、スマートハウスにし、井戸を掘っておけば可能だと思います。

食費も必ず要りますね。夫婦お二人で食が細くなったとはいえ、約5万円はかかると思いますが、これも工夫して切り詰めるしかないのです。たまには温泉でも行きたいですよね。

そして車代(車検や整備費)と燃料費に平均約8千円は必要でしょう。思い切って燃費のいいものに変えておきたいものです。これに任意保険代が約5千円必要です。保険代といえば、国民健康税に月約2万円、医療保険や火災保険に約3万くらいは支払っていると思います。

60歳は過ぎたら、生命保険の死亡保険など最小限でいいので、医療保険などに切り替えて、支払額を減らしましょう。ここまで話すと月平均26万くらいは生活費がかかっていることにご理解されると思います。ゆとりのある方はどうぞ使っていただいて構いませんが、庶民は、26万円を、工夫して23万、21万と切り詰めることは必要な老後の生活の智恵だと思います。

とにかく家計簿をつけてみることから始めて、年金収入と生活費の支出の収支バランスを取ることです。先日足りない分のパートで稼ぐことを提案しました。どんな仕事でも喜んでする覚悟が必要です。でも仕事をすることは健康にもいいのです。

それでは皆様の生活が豊かになりますように心よりお祈りしつつ・・・合掌 徳温禅月。




2013年11月28日木曜日

「進撃の巨人」とひびき渓谷

 おはようございます。
昨日、久しぶりに日田市大山町の「ひびきの郷」に行きまました。大山町は大分県の、いや日本の一村一品運動の発祥地です。深秋のひびき渓谷の紅葉を見ながら、梅の香温泉なごりの湯で温泉禅を楽しみました。


ロビーに諌山創君の「進撃の巨人」の原画展を開催しているのですが、彼を育んだこの大山のひびき渓谷そして裏山には、かの修験道者行基が開いたと言う烏宿神社がある烏宿山があり、数百年の自然林が蘇生しています。このような大自然のなかでのびのび育ったのでしょう。




「進撃の巨人」についてご存じで無い方がおられると思いますが、今や最高発行部数となっているのです。ウキペディアにも詳細にご紹介していますので読んでみてください。

「『進撃の巨人』(しんげきのきょじんAttack on Titan)は、諫山創による日本漫画作品。小説テレビアニメなどのメディアミックス展開が行われている。『別冊少年マガジン』(講談社2009年10月号(創刊号)から連載中であり、『週刊少年マガジン』(講談社)にも出張読み切りとして特別編が2度掲載されている。
11巻刊行時点での単行本の発行部数は、2013年現在累計2500万部を突破している。」



中高年の皆さまもお孫さんと同じくらいの年代の諌山創君が書いた「進撃の巨人」を一度読んでみるのもいい刺激なると思いますよ。いや~漫画はと思う方は、大山町のひびきの郷においでになって、温泉にはいって、原画展を観てください。

ひびきの郷の全景

ひびきの郷~お宿あさもや~
 
ひびきの郷のなごり湯の露天風呂は私の好きな露天風呂のひとつで、ちょうど座禅ができる岩があるのでそのうえで温泉禅を楽しむわけです。裏山の烏宿山の自然林に足を運ぶと心身ともにリフレッシュできます。
 
日田市観光協会より
 
そして今年も12月14日19時より烏宿神社(からとまりじんじゃ)にて、奇祭?「裸参り」が執り行われます。
日田市観光協会より

「進撃の巨人」の裸は、ここから発想したかは知りませんが、一度見ておくお祭りです。お越しになって、ひびきの郷でゆっくりして一年の疲れを取ってください。それでは皆様のご健康をお祈りしながら・・・合掌 徳温禅月。



2013年11月27日水曜日

「清貧の思想」を読むⅠ~恥ずべき慳貪なる奴等~

 おはようございます。
先般、中野孝次先生の「清貧の思想」「清福の思想」へと書きましたので、中野先生に申し訳ないと思いながら、皆さんの意見を聞いていると、現代人はとても貧困に耐えきれないし、現実的には非正規雇用などで若者たちも貧困にあえいでいる実情をみると、経済的に「貧しい」というのも悲劇を招くことがあるのです。

しかし中野先生が提起した「清貧の思想」はそのような意味の貧困ではなく、心の貧困と言いますか、日本人の中に蔓延している精神的な貧困を20年前に提起し、本来日本人が持っていた「清貧」という確かに生活は貧しいが、そのなかですがすがしく生きる人たちをクローズアップしているのです。現代人に問いかけている問題をいまだからこそ無視しては、心豊かな生涯をおくれないと思い、「清貧の思想」を皆様と読み返し、人生の指針を提言したく思いました。


「清貧の思想」の一節から三節は、本阿弥家に貫く考え方を書いていますが、本阿弥光悦は、欲望を支配しうるほどの精神の優位性を持っていて、それはその母、妙秀によって教えられ育てられたからだと思います。

本阿弥妙秀は、「何よりの慳貪(けんどん)にして富裕なることを嫌ったという」と書いていますが、慳貪とは「欲深くしていつくしみの心がないこと、むごいこと、貪欲なこととあり、つまり自分さえよければ他人のことはどうでもいいという者のことだ。」

今問題になっているあの医療法人一族とそれからお金を借りた?というどこかの国の都知事など、現代も変わらず、このような慳貪なるものが跋扈しているのです。ああ情けない。以前、有名な経営コンサルタントの先生が、この「清貧の思想」など通用しないと言ったことを覚えていますが、それは、人間としてどう生きるかを提起していることを無視した発言だと思っていました。

妙秀は「本阿弥行状記」で、
「一、身の貧なる事には苦しからず、富貴なる人はけんどんにて有徳に成りつるやらんと心もとなし。
二、金銀など持ち参る嫁を尋ねるはふがいなし、禍の基なり。
三、金銀を宝と好むべからず。
四、夫婦の仲互いに大切ならば、いかほど貧しくともたんぬべし。」

と書いているそうですが、現代人に当てはめると、これとは真逆に生きている人がいかに多いことでしょう。宝石やブランド品やと買い漁り、精神は空っぽな人が多いのも現実ではないでしょうか。しかし日本人の多くの方は、決して富裕ではないが、豊かな精神性を持っているのです。

最期に中野先生は、「・・・現代だってこういう「目に見えない存在」を畏れ、みずから省みて恥じる行為はしないという己のうちなる律を持った人がいくらもいることを、わたしは知っている。日本人の全部が全部、取引の成功とか、金儲けとか、金額と数字以外に尺度を持たぬ人間であるわけがないのである。後者ばかりが日本人の典型のように見られているとしたら、あまりにも心外だ。だからわたしはあえて光悦や妙秀を例に、そういう人間のいることを強調して来たのである。」

読者の皆さん、再度、「清貧の思想」(草思社)を読んでみませんか。読みごたえがありますよ。「清貧」を理解した人は「清福」な人生を送ることができるのです。それでは皆様のご健康を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。



2013年11月26日火曜日

終活~老後の生活~

 おはようございます。
昨日の「TVタックル」ー老後ビンボーから抜け出せーを見ていまして、平均貯蓄額が約800万円と言ったいましたが、とても食べていけません。日本は貧富の格差が出てきたなと思うのは私だけでしょうか。貧富の格差がでてくれば、富裕層を含め応分の負担をしなければなりません。今の状態で消費税をあげて大丈夫かなと危惧するものです。

終活で一番しなくてはいけないことは、老後(定年退職後)の生活費の確保です。ご夫婦お二人で月約26万円いります。年金で確保できるならいいですが、国民年金だけではとても生活できません。では貯蓄しているかといえば、約800万円であれば、約100万円を取り崩じていけば、8年で貯蓄はなくなるのです。ですので若い方も、約3000万円くらいは貯蓄しておく必要があります。

しかし、もう定年退職して、貯蓄がなく、年金だけでは毎月約5万円足りない人はどうするかをTVタックルで話していたのですが、大変参考になりましたので、ネットより添付します。

TVタックル」より
「老後ビンボーから抜け出せ!プロが教える3つの秘策・1~老後も働く~
総務省統計局の家計調査によると、夫65歳・妻60歳以上の夫婦では、毎月5万円の赤字になるという。老後貧乏から抜け出すための秘策として、老後も働く・地方都市へ移住する・投資するの3つを紹介する。65歳以上の高齢者のうち5人に1人が働いている。職種は清掃、タクシー、警備員が多いが、近年はマクドナルドでも高齢者アルバイトが増えている。

老後ビンボーから抜け出せ!プロが教える3つの秘策・2~地方へも移住~
60歳以上の持ち家率は87%。都会の持ち家を売って地方都市のマンションを低価格で購入し移住するプランが注目されている。特に北海道札幌市と沖縄県那覇市が人気。地方は物価が安く、生活費が抑えられる。那覇市のマンションは、県外からの入居者が43%を越える所もある。北海道【施設】「札幌駅」と地下通路でつながるマンションを紹介。持ち家がない高齢者の住み替えとして、シェアハウスが増えている。札幌市のシェアハウス「暮らし処ありっつも」を紹介。

 
老後ビンボーから抜け出せ!プロが教える3つの秘策・3~投資~
個人投資家の約54%が60歳以上。高齢者対象の投資セミナーも盛況。【商品】書籍「20才からの株式投資」(明日香出版社)を紹介。初心者は、身近な商品の株を買って株主優待と配当金を狙うのがおすすめ。株式投資をしている63歳女性は、マクドナルドや吉野家の株を持っている。不動産投資の例として、築40年の公団住宅への投資を紹介。

秘策3の投資ですが、約54%が60歳以上というのはあたりまえでこれは富裕層、若者の誰がお金を持っていますか。バブル崩壊後大損したではないですか。庶民は投資などできないのを小額投資非課税だと言って、証券会社はやんやと電話をかけて来ますが、勧めません。

まずは、働くことをお薦めします。働くことは楽しいことです。働くことは人のためになります。働くことは健康の源です。パートでいいのです。年金で足らない分を稼ぎましょう。でも病気をしたらとご心配されるでしょう。だから貯金をしておかなければならないのです。少し2万円づつ貯金すると20年間で240万円になります。60歳からでもできます。最期の入院・治療費を稼いでおきましょう。

次が私が特に提案している故郷へ帰ることです。沖縄や札幌がいいからと言って全くしらない土地へ行くことはストレスになります。あなたが高校まで居た地方には同級生がいます。日本の7万くらいの市町村であれば十分文化的な生活ができます。家賃も食費も安いです。

退職したら都会の家を売り払って故郷に帰り、好きな仕事をすれば十分食っていけますし、地方も経験豊かな人材の活用ができるのです。これは日本の活性化の秘策です。東京だけが日本ではないし、いつまで一極集中するつもりでしょうか。オリンピックは老後の楽しみで旅行方々見に行けばいいではないですか。TVで見た方が顔がよく見えます。

それでは、みなさんの老後の生活が豊かで楽しいものでありますようにお祈りします。合掌 徳温禅月。




 

2013年11月25日月曜日

「清貧の思想」から「清福の思想」へ

 おはようございます。
私の大好きな書物のひとつに、中野孝次先生の「清貧の思想」(草思社)があります。1992年の9月に出版されたのですが、それはいわゆるバブルと言われる日本経済がはじけた年です。それはアメリカ型経済の大量生産・大量消費時代の終焉であったのです。

経済が成長していくことを必ずしも否定するものではありませんが、その経済の成長に伴う大気汚染や地球温暖化などの自然破壊そして物質中心の物の考え方からくるこころの喪失が、多くの精神的病と、犯罪を引き起こしていることは事実なのです。

中野孝次先生は、日本人が本来持っていた精神の風土である清貧というものにをクローズアップしながら、現代人が取り戻すべき精神のあり方を提唱したのです。今から日本人そして人類が生き残っていくためには、知足少欲の考え方を持たなければ、数%の富裕層と大多数の貧困層が生まれ、社会矛盾をきたすからです。

ましてやミニバブルと踊らされ、株や投信に誘惑され、不労所得を得ようなどと思うですが、いつも儲けるのは機関投資家で、庶民ではないのです。多くの方が欲望を抱いて詐欺事件に巻き込まれ、わずかな退職金もなくしてしまう方も多いのです。

中野先生のお父さんは大工さんでした。先生は、「人間はまっとうに働いて生きるべき者で、盗みや詐欺や収賄や投機や、そんな手段で成功するのは間違っていると信じてきました。働くことを厭わなかった。かれらは仕事と自分の業に誇りを持ち、金儲けするよりもよい仕事をすることを望んでいました。」(「清貧の思想」より)

私は日本人が持つべき精神構造は、「清貧の思想」だと思っています。3年前ブータンの国王ご夫妻が日本を訪れた時に、幸福度が世界でもっとも高い国と紹介され、皆さんが注目しました。それは勝手の日本人が持っていた精神構造を持っていたからです。

そのことの生き方を、約2500年前に提唱したのがブッダです。「八正道」という言われていますが、ブッタは偏ることない中道の考え方と生き方を言ったのです。しかし今日の宗教界は、株式投資などに手をだし、宗教者としてすべきでないことをしています。

私は、ブッタが諭したこと、中野孝次先生の「清貧の思想」を、吟味し、継承し、飛躍させ、「清福の思想」を提言したいと思います。それは人は清く、汚れなく、正しく生き、働き、幸福な人生を送ると言うことです。

経済的な貧困は、決して良いものではないですが、同事にお金儲けをすることが成功とか幸福とは違うのです。最小限必要な貯蓄と、無駄な消費をしない生活、日常の生活のなかに喜びと幸福をみいだす生き方です。

バランスのとれた生活で、たとえば家計でいえば標準的な貯蓄をしている、働くことに生きがいを感じらる仕事をしているし収入が得られている、絵や書をかくなどの趣味を持っている、毎日、公園をなどをウォーキングし健康である、地域社会の行事に参加している、家族といつも会話しときどき食事に行く、そして神仏に手を合わせ感謝できる信仰を持っている、このよう調和のとれた生活が最も幸福な生活なのです。

たとえば遠路はるばる紅葉を見にいかなくても裏山の紅葉に「美」と「やすらぎ」を見ることができる清浄なる心を持つことです。同時に60歳まで東京で、都会で働いたら、故郷に帰って来ませんか。砂漠のような東京で高い生活費で過ごすのではなく、田舎でも趣味を生かして働ける場はあるし、自然のなかで、路傍の花にこころうたれ、雨読晴耕の日々を送った方がよいと思いませんか。

読者の皆さんに問いかけます。あなたの生き方、生活は、幸福ですか?皆様のご多幸を祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。




2013年11月22日金曜日

終活~もし生れ変わったら、今のパートナーを選びますか?~

 おはようございます。
今日は11月22日で、「いい夫婦の日」です。2013年度第8回いい夫婦川柳コンテストの大賞は、「贅沢ができない妻に花を買う」(西田金吾)でした。そのほかの優秀賞のなかに、「婚活のウソも時効になりました」(飯島隆誌)や「言いました君が言うならそうだろう」(かず坊)があり、暖かい家庭の雰囲気が出ていますね。

でも2013年度のサラリーマン川柳の第一位はマッチ売りの老女さんの「いい夫婦今じゃどうでもいい夫婦」でした。もし生れ変わったら、今のパートナーを選びますかという質問に、平均で、男性は40.3%、女性は26.8%でした。60代になると女性は16%になります。これが本音かもしれませんね。


ご主人は、今まで自分がして来たことを考えると、仕方ないなと思う方がたくさんおられると思いますが、実は怖いのは、あなたが亡くなったら、葬儀はせずに、直葬で、火葬して、「さようなら」する人が首都圏では、30%越えているのです。夫婦間に自信がない方は、エンディングノートを書いて、息子さんに喪主をお願いしておくことです。

また、終活のご相談のなかに、「死んだらお墓は一緒に入りたくないですが、よいでしょうか」とのご質問が、最近多々あります。このようなことを法的な制度ではないですが、いわゆる「死後離婚」と言います。さて男性諸君どうしますか。

現代のように、核家族化していますから、お墓は別にすることも可能ですね。よく聴くと、亡くなったご主人のお墓には入らないが、いま一緒に住んでいるペットと一緒に入りたいというのです。墓苑が許可するならそれもありますよね。

このようにならないため、ご主人方は、常日頃より奥さんと会話をし、ときには奥さんをいたわり、奥さん孝行をしてください。なにより大事なことは、感謝の心ではないでしょうか。感謝して、それを表現すること、感謝を言葉と態度であらわすこと、今日、11月22日にプレゼントしてはどうでしょうか。これも大事な「終活」なのです。

そして最後の日を迎えたら、「ありがとう、愛しているよ」と一言、お互いに声をかけて下さい。かならずその魂(霊)は、天国(ご浄土)に行きます。皆様のご家庭が円満で、ご家族が健康でありますように心よりお祈りします。合掌 徳温禅月。





2013年11月21日木曜日

仏道を歩くⅥ~己に克つとは~

 おはようございます。
毎日の日課である松原泰道先生の「きょうの杖言葉 一日一言 百歳の人生の師から あなたへ」(海竜社)を読んでいまして、今日の一言の「我人に勝つ道を知らず 我を克つ道を知れり」に心がひかれました。剣道指南役で、沢庵和尚から禅を学んだ柳生宗矩の言葉です。

私たち現代人は、小学校の時から、いや幼稚園からかもしれませんね、いつも人と比較され、優劣をつけられ、そうして、中学、高校、大学を出て、社会人になると、社会はまさに競争社会です。そのなかで、人の勝つこと、他社に勝つことばかりを考えて仕事をしているのです。

そうして自分が勝っているときは躁ですが、他人に負けると鬱状態におちいり、挙句の果てに重度の鬱病になり、再起不能になる人もおられます。それはいつも他人と比較し、他人と競争する社会に生きているからです。

しかし、そのような社会の中でも、他人に勝ちたいという我にとらわれることなく、自分のエゴを超越できる人もおられます。それは利己ではなく、「利他」に生きることです。そして実はあえて敵といえば、自分自身で、他人に勝ちたい、他人より高く評価されたい、と思う心です。

そのような利己的な心、煩悩まみれの心、怠け心、自分勝手な心に打克つ方法は、ひとつしかないのです。己を見つめる、己を知ることで、それは「座禅」によって、見出すことができるのです。道元禅師がなぜ「只管打座」を言い、中村天風先生が「安定打座」を言ったのかを覚れば、自ずと座禅は生活の一部と化し、食事をするがごとくになるのです。

わたしは、親鸞さんの「南無阿弥陀仏」と言う念仏行も、日蓮さんの「南無妙法蓮華経」のお題目行もしかりだと思っています。それらはすべて、生きとし生けるもの、衆生が仏性を持ち、利他のこころに目覚めることができるからです。

松原泰道先生は、同書で、「自分の内部に居を占めるエゴに克つ道を学びえた人にして真の達人です。剣道に限らず、どの道でも最終の目的は「克己」です。己に克つのは術ではなく強い意志の力によるものです。自制心の弱い現代人の学ぶべき点です。」と締めくくっていました。

もうすこしお話しますと、キリスト教では「心の中の王座を、神にあけ渡せ」と言います。つまり、我を取り除き、神にいてもらうと言うことですが、自分の意思で、そのようにすることは、自力とか他力とか、言葉の遊びではなく、実体として意識することなのです。

少なくとも現代の宗教関係者は、自らが選んだ宗祖の、つまり釈尊の、キリストの、親鸞の、日蓮の、道元の歩んだ道を歩み、その苦悩を共有して、初めてその実務につくべきで、ただ資格試験に通った宗教関係者を私は信用しないことにしています。

己に克つとは、活かされていることに感謝し、少しでも、小さくても人のために、社会のためにお役に立つように生きることではないでしょうか。読者の皆様のご健勝をこころより祈りつつ・・・合掌 徳温禅月。