2015年12月7日月曜日

葉室麟さんのお話しを聴いて

 おはようございます。
葉室麟さんと矢野寛治さんとの公開座談会おもしろかったね。矢野さんが中津出身ということもあり、広瀬淡窓先生と福沢諭吉先生と対比しながら、お話しを進めていましたが、興味津々で聞き入りました。二人の生き方は全く違いますよね。

世の中では福沢諭吉のほうが、慶応義塾も創立したし、その後の日本経済を支えてきた人材も輩出してきましたので、有名人ですが、やはり地元だからというのもあるかも知れませんが僕は広瀬淡窓先生の思想と教育のほうに共鳴するんですよね。

咸宜園教育を一言でいえば、全人教育であり、情操教育であり、こころを養う教育だと思います。昨今、これを無視して理系ばかりに力を入れている文部省がありますが、現実には、ノーベル物理学賞受賞者のほとんどが地方出身で、自然豊かなところで生まれ育ち、情操豊かな方々であるのです。つまり最も大事なのは、人間教育であり、いわゆる科学はあとからついてくるものです。人間の脳細胞はそうなっているんではないでしょうか。


葉室麟さんは、知識も豊富で参考になることをたくさんお話しされたのですが、僕が気になったのは、今度文芸春秋で「西郷隆盛」を書くそうですが、西郷さんがいわゆる官僚的な上から目線ではなく、人間味の溢れる方だったからこそ西郷さんを慕って若者が集まったのでしょう。

葉室さんの小説は、そのような人間の機微や人情を描くのがうまいなと思っているファンの一人ですが、西郷をどう描くか楽しみですね。

ふと思ったのですが、広瀬淡窓先生は、坊主が嫌いで仏教を避けていたところがあるのですが、妹アリのちの秋子の影響で、豪潮律師と会い、「楞厳経」を読み、「予、生来佛法の何物たるかを知らず、陰隲録を読み、及び豪潮律師に見えて、その説を聴くに至って、少しくその端緒を知る。楞厳経を読むに至って初めて佛教の高大を窮め精微を尽くすことを知れり、ここにおいて軽侮の心やみて尊崇の念起これり」と記している。「広瀬淡窓」~深町浩一郎著西日本新聞社。

そして、自分のために仏教に帰依し、京都でその生涯を閉じた秋子を慕い、秋子を咸宜園をつくる糧としたのだと推察するのですが、実は西郷隆盛も尊王攘夷の僧月照と知己となり、安政の大獄で容疑をかけられた月照を救うために薩摩藩にかくまおうとしたが、許しが得られず、二人で入水自殺するのです。西郷は助けられるのですが、まさに親友であった月照は亡くなります。西郷もまた月照を通して、仏教との出会いがあったのです。

二人の人間性の中に仏との出会いがあり、広瀬淡窓先生の敬天思想にも、西郷隆盛の敬天愛人にもつながるものがあると思えるのです。敬天の天とは、おそらく二人にとっては、神であり、御仏であり、全宇宙の源を指しているのではないでしょうか。霊的な存在であり、それに触れることによって、二人の霊性は高められたのでしょう。

今、世界の必要なのは霊性であり、霊性の欠如がテロリズムを産んでいるし、同時にダライラマさんが言うように、祈ってばかりしても何も解決しない、システムを変えないといけないとも思うわけです。

つまり情操教育と同時に、システムを変える、若者の非正規雇用などは廃止しないと、若者は生活していけない、結婚もできない、子供も産み育てられない状況をなっています。オーム真理教に見られるように、日本にもテロリズムを産む温床があることを国も指導者は考えるべきです。

葉室麟さんのお話の中で気づいたことを徒然なるままに書きました。それでは、皆様のご健勝をお祈りしつつ 南無 合掌礼拝 徳温禅月。

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