2013年2月14日木曜日

禅修行ー喜心・老心・大心ー

 おはようございます。
9日、10日の千葉勝胤寺での中野東禅先生の講義と禅修行の中で、講義後約一時間ほど行われる座禅指導は、このような静寂なる環境のなかだからこそ、落ち着くかもしれません。この場を与えてくださったご住職さんに感謝です。

座禅のなかで、やはり姿勢がしっかりしていなければなりません。腰から背骨がすっと伸びていないと、かえって疲れるのです。頭の先は天から吊り上げられている気持ちでしょうか。静かに丹田の呼吸に集中して、何もかも忘れること。私たちは、日常の生活の中で、息を意識しているでしょうか。生きるとは、息(いき)ることなのです。

中村天風先生が、座禅のなかで言った「心をば 静かに澄ます 空の空」という言葉を思いだします。

春は近づいています。庄手川河川敷公園にて


人間の感覚や意識を生ずる眼・耳・鼻・舌・身・意の六つの根元の六根(六感覚器官)を、正しい法(教え・真理)を学んでととのえること。(松原泰道先生「今日の杖言葉」)大分県の国東半島で、10年ごとに6日間かけておこなう六郷満山峰入り行で、行者が「六根清浄、六根清浄」を声をあげて歩きますが、六根を清め、静めないと、昨日のグアムのような事件が起きます。犯人は、自ら(こころ)を失っているのです。被害に遭われ亡くなら方々のご冥福をお祈りします。

中野東禅先生が「典座教訓」講義のなかで、道元禅師の有名な人生訓を説明してくださりました。

「当職作事作務の時節、喜心・老心・大心を保持すべきものなり、
いわゆる喜心とは、喜悦の心なり
いわゆる老心とは、父母の心なり
いわゆる大心とはそのこころ大山にし、その心を大海にし、偏なく党なきの心なり。」

労働・作業・仕事において、喜心、老心、大心が大切だということですが、喜心とは事を行う時は喜びを持って行いなさい、老心とは物事に対していたわりの心で行いなさい、大心とは事に当たって、一つに偏り、一つの考えにとりつかれてしまうと、ものごととおおらかに付き合えなくなってしまうので、こだわらない心を持ちなさいと言っています。(中野東禅著「図解 道元」ナツメ社

私たちは、仕事においても家庭においても、喜心、老心、大心を持って働ければおのずとうまくいくのです。まずは、基本(法)を学ぶこと、すべてが 人生(禅)修行であることを覚ること、そこにこそ人生において間違いのない歩みができるのではないでしょうか。


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