2014年11月4日火曜日

藤原正彦先生の講演を聴いて

 おはようございます。
昨日のブログに書き足しておきたいことがありました。先生が講演のなかで、「卑怯」であってはならないと何度も言っておりました。日本人ほど卑怯なことを嫌う国民はいないのです。先生も父親から、下級生や弟や妹をいじめる事を厳格に戒めたそうです。

ちなみに藤原先生の父上は新田次郎さんで、母上は藤原ていさんですから、数学者でありながら文才があるのは、DNAかなと思うのですが、やはり幼少期から文学に親しんでいたし、すべての教科の基本は国語であると言っている通りです。

「祖国とは国語」の中で国語の重要性を書いています。「国語はすべての知的活動の基礎である、国語は論理的思考を育てる、国語は情緒を培う」~「祖国とは国語」(新潮文庫)~。国語が弱いと数学の文章問題は解けないし、英語だって、和訳できないのです。教育の根幹は国語なのです。

今、世の中に「卑怯」という行為がまかり通っていると思いませんか。政治も経済も社会も弱い者イジメ、金儲けが優先する時代になっているようですね。住居地区である私の裏にマンションの建設計画が出ていますが、近隣の住民は日照権が奪われて、陽のあたらない暗い生活を余儀なくされそうです。商業地区ならいざしらず、住居地区でこのようなことがまかり通るのは世も末かもしれませんね。このような行為を卑怯というのです。

弱肉強食ではなく、惻隠の情こそが社会を安定させるのです。欧米の思想では、いくつものアルカイダやイスラム国ができてくるでしょう。

私達日本人が育んできたものは「勇気、誠実、正義感、慈愛、忍耐、礼節、惻隠、名誉と恥、卑怯を憎む心」と藤原先生が言っているとおりです。そして情緒なのです。情緒は自然に触れ合うことがないと醸成されません。

日本の農業や里山を壊しては今後、ノーベル賞を受賞する人材も育たないのです。ちなみにノーベル賞受賞がもっとも多いのはユダヤ人ですが、まさに2千年余りも難民のごとく世界を漂流していてもヘブライ語を失いませんでした。ユダヤ人は10歳くらいまでに旧約聖書を覚えているそうです。

藤原先生の思想の根幹には武士道精神があるようですね。新渡戸稲造氏の「武士道」を再度読んでみたくなりました。藤原先生のご健勝と皆様のご活躍をお祈りしつつ 南~無 合掌 徳温禅月。






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