日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士にして「長い日本の歴史の中で、空海は最も万能的な天才であった。世界的スケールで見ても、アリストテレスとか、レオナルド・ダ・ビンチとかいうような人よりも、むしろ、幅が広い。宗教、文芸、美術、学問、技術、社会事業の各方面にわたる活動を通観すると、超人的というほかない」と言わしめた空海さん。空海さんとなぜ呼ぶかというと、空海では失礼だし、弘法大師では雲の上の人で近寄り難いし、空海さんと言わせていただいて筆を進めたいと思います。
空海さんは、事業家としても大成功された方ですが、その秘訣を知っていますか。それは「三力偈」という言葉で表しています。まず「以我功徳力」は自分が努力、工夫する事です。次の「如来加持力」は、如来(神仏と言っておきましょう)を信仰し、神仏の力を得ること、三番目が「及以法界力」ですが、宇宙に遍満するエネルギーであり、氣であり宇宙の法則ですかね。この三つがそろってはじめて人生や経営と言うものは成功するんです。
少なくとも事業経営者は、このことを知っていないと経営は成功しないし、事業、会社は発展しません。つまり信仰なき経営は成功しないのです。私が安易に座禅会をしないのは、そこに神仏への感謝、そして信仰なき瞑想などは、健康にはいいのですが、本来の意味をなさないのです。
先日、「秘蔵宝鑰」を再度読み替えしていて、世界の宗教は、空海さんが書いた十住心論のどの位置に居るんだろうかと思った次第です。
「十心とは、ひとが本来持っている菩提心が、展開してゆき、最終の第十心にまで一段一段の昇りつめる悟りの階梯をのことをさす。第一異生羝羊心は欲望のみに生きる心、第二愚童持斉心は道徳にめざめた心、第三嬰童無異心は仏教以外の宗教で安らぎを得ている心、第四唯蘊無我心は釈迦の言葉を聞いて覚る者の境地、第五抜業因種心は縁覚の境地、第六他縁大乗心は菩薩の境地、第七覚心不生心は三論宗の境地、第八一同無為心は法華経の境地、第九極無自性心は華厳経の境地、そしてその最終階梯である第十秘密荘厳心において、人は、無量の力をもった毘盧遮那仏の働きを体感するのである」~「空海の本」学研~
さてさて、一般の方に、宗教という言葉すら毛嫌いにさせたオーム真理教、あるいはISなるもの、キリスト教やイスラム教、儒教や道教、あるいはそして仏教、とりわけ日本仏教の浄土真宗や日蓮宗、禅宗、真言宗などはたまた宗教ではないと称する倫理の会やスピチュアル、ヨガなど多々ありますが空海さんはどう言うでしょうかね。ぜひ自己査定されて見るのもいいかもしれませんね。
まあ各人が満足してそれぞれの宗教をもつことが大事だと思うのですが、やはり精神の高見に登りたいものです。それでは皆様のご健勝を祈りつつ 南~無 合掌 徳温禅月。
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