2015年1月20日火曜日

仏教と温泉

 おはようございます。
温泉を掘り当てて方では、弘報大師空海さんをはじめ、行基さん、一遍上人、空也上人など、全国を遊行した高僧が多いのですが、もっと古代においても、鹿やイノシシなどの動物が体をいやすために山のなかや小川にて温泉が湧出するところを知っていたと思われます。大自然の恵みです。


仏教では温泉についてこのように言っています。仏教の経典に「仏説温室洗浴衆僧経」があります。以下のように書いています。

この世に生をうけたと申しましても、《人》が疎野にしていて 世俗の流れに従っておる限りは、《福》の成就は難しいものです。 さて。仏および諸の出家の方・菩薩の方たちにお願いがあるのですが、 「入温室沐浴」していただけないでしょうか。一般の人たちは、それにより、 長いあいだ清浄になりますし、きたない垢を落とすことにより、 病気にあいません。 ただ仏のお言葉だけが、私の願いを忽しないのです。(??)

仏は医王に仰せです。
すばらしい。いい意見だ。病気が直って、皆が歓喜する。 「入温室沐浴」して洗浴除垢すれば、その福ははかりしれない。 一心諦聴。この私が、おまえたちのために、出家者たちが 沐浴する結果得られる《福》について説明してやろう。

仏は耆域に仰せです。
沐浴の法であるが、7物を使って7病を除去し7《福》報を得る ものである。ここで「7物」とはこれらのものである:
/浄水//蘇膏/淳灰/楊枝/内衣
はたまた「7病」とはこれらのことである。

四大安寧/除風病/除湿痺/除寒氷/除熱気/除垢穢/身体軽便,眼目精明
こういった出家者にありがちな7つの病気を除去するのである。 このような供養により、以下のような7つの《福》が獲得される。

つまり四大無病,所生常安などで人々に尊敬される/ 所生清浄,面目端正などで人々に尊敬される/ 身体常香,衣服清浄などで見る人を歓喜させる/ 肌体濡沢により威光徳大/ 垢を落とせば自然と《福》を受け、宿命を見分ける/ 口歯香好/ 自然に衣装がひかり輝く

出家の者が沐浴すれば、以上のような7つの《福》があるのだ。 従此因縁。人臣/帝王/日月四天神王/帝釈転輪聖王/梵天/菩薩はたまた 志が成就すれば仏にすらなれるのだ。こういった訳で、出家した者たち を供養すれば、それによる《福》ははかりしれないのである。」ー佛説温室洗浴衆僧經 (大正No.0701;[SAT]; 安世高譯)ー

また、「温泉の科学」の佐々木信行教授は、『「浴仏功徳経」というお経の中には、「沐浴身体、当願衆生、心身無垢、内外高潔」という一節(浴仏偈)がありますが、これは読んでの通り、入浴することにより、衆生の願うところの、身の汚れ、心の穢れが取れ、高潔になれるという意味で、仏道修行にはそのような心身を清浄にする功徳があると言うことを意味するものです。仏道修行の功徳が入浴の功徳に譬えられていることは、考えてみればすごいことではないでしょうか。』

四国八十八ヶ所巡りをすると、国民宿舎などにもたくさん温泉がありますが、宿坊(お寺に泊まること)に温泉があるところも多いのです。


佐々木信行教授は「温泉入浴の功徳と言っても・・・・・省略・・・・・
 人はこの世に生まれ、さまざまな衣をまとって生きていますが、裸になればみな同じです。温泉は地より湧きいでて、生きとし生けるものを平等に潤し、活力を与えます。これはあたかも太陽の光が万物に降り注ぎ、力を与えるようなものであるといえます。太陽は旅人に上着を脱がせましたが、温泉はわが国では衣服すべてを脱がせます。虚飾を捨てて、人生の荒波に悠然と立ち向かい、悠々と楽しみながら乗り越えていくことができれば、それこそが温泉の功徳というべきものかもしれません。」-「温泉の科学」(SBクリエイティブ)

わかりやすく書いていますね。心身共に健康にしてくれるものが温泉であり、温泉に入って座禅をすることを温泉禅を言いますがその功徳(効果)は倍増します。ときどきは、物欲にまみれた世俗から離れ、身もこころも清め、癒し、元気をとりもどそうではありませんか。大自然の恵みに感謝し、皆様の健康をお祈りします、南~無 合掌礼拝 徳温禅月。



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