おはようございます。
巷では、石原慎太郎さんが東京都知事を辞任し、国政での第3極を作り、国家運営の弊害になっている中央集権的官僚支配を打破するという話が飛び交っています。行く末はともかくとして、時代はいつでも諸行無常で、変化こそが進歩への助走であることは周知のとおりです。
今石原慎太郎さんたちが言われていることを、20年前から言っていた経営者がいました。その方は、京セラの創業者であり、全国の経営者5000人余の塾生を擁している盛和塾塾長の稲盛和夫氏です。ニュースを見ていて、14年前に読んだ稲盛和夫氏の「日本への直言」(PHP)を思い出し、今こそ、第2電電の設立や日本航空の再建を成し遂げた稲盛氏について、その哲学と経営のあり方について一人でも多くの方に語らなければならないと思いました。
経営者あるいはビジネスマンの全員が業績を上げ、社会に貢献したいと思っているからこそ、稲盛氏の考え方、生き方そして経営(仕事)や働き方を吸収して、会社を盛り上げたいと日夜頑張っている方が数千万いると思われます。それに引き換え、この国の役人や電力会社に代表される独占企業の経営者は、国民の苦しみの上にあぐらをかいているとしか思えない現状です。
稲盛氏が京セラの創業して、世界的企業にしていくいきさつについては、「ガキの自叙伝」や「敬天愛人」などを読んでいただきたいと思います。また哲学や経営についての書物も多数出版されていますので、経営に携わる方はほとんどを読むべきだと思います。
稲盛氏は、臨済宗妙心寺派という禅宗のお寺で得度されています。得度というのは、仏教の始祖であるお釈迦様の教えを受け入れ、その教えを守り生きることです。並大抵の決意ではできないと思います。しかし稲盛氏は、京セラを創業した20代後半の頃から、宗教書や哲学書を枕元において、読みながら寝込んだそうです。読まなければ生きていけないくらい、人生とは経営とは、そして従業員のことを真剣に考えていたからです。
稲盛哲学の根幹となるものは、仏教ですが、稲盛氏は、キリスト教やジェームズアレンそして中国の儒学などにも精通して、その哲学・思想は世界を救う、地球市民としての考え方を持っているのです。この哲学を経営の原点12ヶ条や京セラフィロソフィに具体的に提示しているのですが、経営手法はアメーバ経営という最少単位でのバランスシートに基づいた生産性をあげていく方法なのです。
つまり経営は、四輪駆動の自動車のように、経営理念(哲学・思想)という前輪と、経営手法であるアメーバ経営という後輪が同時に動かなければ成功しません。経営学者がどんなことを言おうと実践し、成果を出さない限り、絵に描いた餅であり、経営に失敗すると何百、何千、何万人という人達を不幸にするのです。
石原慎太郎さんが今の政府には、バランスシートがないと言われ、東京都では就任当時からバランスシートを取り入れて、東京都の財政の改善に努めたそうです。家庭も会社も国も同じで、バランスシートのないものは滅亡します。日本株式会社が稲盛哲学とアメーバ経営を取り入れる時が来ています。(東大出の官僚のみなさん、ぜひ稲盛氏の書籍を読んで下さいね。)下記の写真は今年、東京国際仏教塾に行ったときに、東大の赤門前で撮った小生の写真です。
次回は、稲盛哲学の神髄について迫りたいと思います。
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