おはようございます。
日本の産業を支えてきた中小企業の皆さんこそ、この変化の著しい時代を生き抜いて、国に活力を与えてほしいと節に思っています。まずは基本的に農業のみならず、地産地消であるべきだと思います。決して安易ではないと思いますが、容易に海外進出を考えるのはいかがなものかなと思ています。日本国内・地域の供給と需要をしっかりと安定させ、国際的な都市間競争力をつけるためにも道州制を導入し、地方分権し、活性化することと思います。
石原都知事が、第三極を作るにあたって、増税や原子力の問題という政策は、些細のことと言ったのは、政策は時代の変化に応じて、協議し決めていかなければならないが、国家といういうものは、国の大要があり、理念があり、それは思想によって裏打ちされてなければいくら政策が一致しても、国家は成り立たない。たとえば今の中国は、毛沢東の共産主義思想によって国家をなしています。いくら資本主義的政策を取り入れようが、国家理念は共産主義であることを進出した企業経営者は痛切にしらなければなりません。
国と同様に、企業はいわゆる経営戦略・戦術のまえに、どのような経営理念の旗を掲げているのかが重要なのです。経営理念こそ、国の憲法であるのです。この経営理念は、経営者の考え方、哲学、思想から明文化しているのです。
ですので、稲盛和夫氏の哲学を学ばなければ、次世代の会社作りはできないと思っています。なぜなら稲盛氏は充分すぎるほど実績を作ってきているからです。学ぶにあたって、皆さん一人ひとりが「稲盛和夫の哲学」(PHP)を読んで、熟考していただきたく思っています。
この本のまえがきで、「人生に対する考え方により、人生の結果が大きく変わることを私たちは理解しなくてはなりません。苦労を厭い、人生をおもしろおかしく過ごそうとした人や、世をすね、不平不満をもち、一生を過ごした人と、高い目標をもち、それに向かって明るく前向きに一生懸命努力を重ねてきた人の人生のあいだには、大きな差が生じてしまうのです。どのような考え方をもって人生を歩もうと自由なのですが、その考え方によって人生の様相がまったく異なったものになってしまう。つまり「素晴らしい人生を送る」にはそれにふさわしい考え方があり、それはどのような
ものかということを、私たちは知る必要があると思うのです。」と述べています。
人生を会社に置き換えると会社もそのようになっています。稲盛氏は一貫して善きことを思えば、善きことが起こり、悪しきことをおもえば悪しきことが起こると言っています。これは、誰しも知っているお釈迦様の教えであり、いわゆる因果応報、原因と結果の法則です。考え方という原因が間違っていると、結果は失敗という文字になってしまいます。成功する考え方のみが成功という果実を実らせるのです。これが宇宙の法則であり、お釈迦様やイエス様はこの宇宙の法則を悟った人なのです。
稲盛氏の積極的な考え方の根底には、宇宙は積極的な意思で持って作られ、理路整然と動いているし、この世の森羅万象はあるべくして作られているというお釈迦様やイエス様の智慧から来ていると思います。ですから万物の霊長と言われる人間は、宇宙の進化・発展に寄与するように生命をいただいているのです。ひとりひとりも、父と母を通して尊い「いのち」を授かり、その一生を宇宙と地球のために捧げる生き方と思います。
我という個人は、おおやけのものであり、人間は一人では決して生きられません。ひとりから夫婦となり子供ができ、家庭という最小単位の組織が出来上がります。ここで親としての考え方が正しく、積極的でないと子供に教育などできるはずがありません。
そして地域社会があり、そこで生産や商行為をして生計をたてるための会社ができてくるのです。稲盛氏が企業経営の前提で、「動機善なりや私心なかりしか」と厳しく言っているのは、動機が善なものでなければ成功しない宇宙の法則を知っているからこそ、次世代の経営者に、私心という欲望からでたものは失敗するよと言っているのです。すべては世のため、人のためになるという利他行でなければ結局は成功しないのです。金儲けから出たものは金儲けで終わる。
私は「動機善なりや私心なかりしか」に「志(こころざし)ありや」を付け加えています。
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