2013年1月17日木曜日

大島 渚監督を追悼します

 おはようございます。
大島 渚監督が、80歳でその生涯を終えました。「愛のコリーダ」など衝撃的な作品を発表し、その生きざまを尊敬していました。17年前に脳梗塞に患い、奥様小山明子さんの献身的な介護に支えられ、一度は回復しましたが、長いつらい病闘生活を送っていたようです。大島渚監督のご冥福を心よりお祈りいたします。

奥様の明子さんは、「ご苦労様でした。もう病気の心配をしなくていいね」と言って、手を取り合ったとのことです。奥様が17年も介護をしてきたことは、全国でご両親や伴侶の介護を続けている多くの皆さんに勇気と慰めを与えてくれました。奥様に「ありがとうございます。お疲れ様でした」と申しあげたいと思います。

記者会見で「つらいときもあったが、家族や友人の支えがあったからやってこられた」とお話していましたが、高齢化社会のなかで、人は病に侵され、死が忍び寄ってきます。心を鍛え、ウォーキングや体操などをして、健康を維持することで病気にならないようにすることと、いつ病気や死が訪れてもうろたえないように、「心」をととのえておくことが大事だと思います。

熟年離婚などと騒がれている今日、人への思いやりやいたわりを失くした人が、最後に息をひきとるとき、「ありがとう」と言えないとしたら、ご浄土にいくことは難しいのでは思います。なぜなら死の直前にその人の思いが、天国か地獄かを決めるからです。団塊世代と言われた人たちも、いわゆる林棲期、遊行期を迎えていることを覚らなければなりません。

大島渚監督と小山明子さんの真珠婚式パーティで、昭和の「忠臣蔵」よろしく、浅野と吉良の「松の廊下」での刃傷事件に匹敵するような、作家の野坂昭如氏が、酒で酩酊し、監督を殴り、監督も殴り返すという破廉恥を大衆の面前で起こしました。その時の映像がテレビに出ましたが、奥様の小山明子さんは、中にはいり笑顔で野坂昭如氏を止めていました。やはり女性は偉いなと思います。江戸時代も奥さん同伴にしていたら、松の廊下事件はおきなかったと思います。「忠臣蔵」がなくなるから映画会社がこまるかもしれませんね。

民主主義国家のバロメーターは、大統領やその国の首相が奥さんを大事にしているかどうかで測れるのではないでしょうか。ところで、芥川賞に、75歳の黒田夏子さんの「abさんご」が選ばれました。これも高齢者に勇気を与えてくれました。人生の時間で、無駄な時間は一切ありません。どんな仕事でも死ぬまでできると思いました。それよりも黒田さんの齢を感じさせない若々しさにびっくりしました。

明日から日曜日までは、東京国際仏教塾での学びと修行に行ってきますので、ブログはお休みします。芝の青松寺での座禅修行などのご報告を来週は書きたいと思います。こうご期待ください。

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