2013年1月28日月曜日

体罰と教育ー「咸宜園」に学ぶー

 おはようございます。
日曜日の各局の報道番組で、大阪市立桜宮高校の体罰の問題が取り上げられていましたが、いかなる指導や教育のなかでも、体罰は許されないし、何の効果も生み出さないことを日本人全員が認識しないといけません。指導上、少々の体罰は許されるとかいう考えで教育する時代は終わったのです。ヨーロッパではすべての国で体罰をつかった指導や教育は禁止されています。

教育の大事なことは、自分で考える力をつけてあげることで、勉強もスポーツも日々、反省し、改善点を見つけ出し、それを乗り越える努力をすることを教えてあげることです。叱られるから勉強するとしたら、結果的に不幸な人間関係になり、学校も家庭も崩壊するのです。

たとえば、親が勝手な理屈で、しつけのために子供に体罰(虐待)を加え、死にまで至らしめる事件が後を絶たないのは、家庭のなかでも体罰が許容されている感覚があるからです。この次元から日本人も卒業しないと豊かな感性を持った人間は育たないのです。

昨日、大分県日田市で廣瀬淡窓先生が創設した「咸宜園」を、水戸市の「弘道館」足利市の「足利学校」と一緒に教育遺産として世界遺産登録へ向けての運動して、市民フォーラムが開催されました。



「歴史と森と水を活かした未来環境創造」というテーマのパネルディスカッションがありました。江戸時代から明治時代にかけて6000余名の若者たちが、咸宜園に学ぶために遠くは今の青森県からも入塾してきた理由は、簒奪法(身分、学力、年齢を除く)や月坦表(等級学習)による平等主義に基づいた教育があったからです。

それ以上に、廣瀬淡窓先生は、日田市郡内70ヶ所ものコースを作り、今でいう遠足でしょうが、塾生をつれて野山をトレッキングし、自然に触れさせ、自然の営みを学ばせ、そして漢詩を作らせたりして、感性を育てていったのです。いじめなど起きるはずがありません。

まさに教育の原点はここにあるのではないでしょうか。咸宜園は塾生募集など一切していませんし、すべて塾生の口コミで集まってきたのです。親御さんたちは、人から聞いて納得して学費を持たせ咸宜園の行かせたと思います。

現在の教育現場が制度疲労をおこしているのは厳然としていますので、これは広く衆知をあつめ改善することと同時に、国民ひとりひとりが体罰やいじめなど、いまこそ教育とは何かを深く考えるべき時だと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿