2012年11月1日木曜日

稲盛哲学とアメーバ経営Ⅲ

 おはようございます。
昨日の因果応報について、数名の方より質問がありました。「東日本大震災などで罪のない方が亡くなっているのはどのような因果関係でしょうか」というものでした。

まず、因果応報とは人間界の真理を言ったものですが、宇宙において地球は生きている存在だということだと思います。地球は、地球として人間と同じように正常に保つために、背筋を伸ばすことをしていると思います。その背筋を伸ばす時におきるのが地震だと思います。

私も今年7月の北部九州大水害で被災し、みるみるうちに1メートル近くに達し、床上浸水となり、救助隊に92歳のお袋を救助してもらいました。どうしてこのような目に合うのかと考えても、何も悪いことをしていないのにと想います。このような天災は、いつでもどこでも起き、大自然に対して人間の力など及ばないとことを警告していると思います。それは個別の問題ではなく、宇宙や自然界と人類との因果応報かもしれません。

このことについて、稲盛和夫氏と瀬戸内寂聴さんとの対談集「利他」人は人のために生きる(小学館)にて書かれていますので、ご一読ください。人間界でも、あんないい人が癌で亡くなったが、世間で悪いことをしている人が長生きしているとか耳にしますが、そのことにも触れています。

人間界においての因果応報は仏教では、三時業という言葉で表現されていますが、たとえば一所懸命働いて、すぐその成果が出る場合がありますが、10年20年いや30年経ってやっと芽がでて、おおきな成果がおさめることがあります。また親父さんが社長のときには、業績が伸びなかったが、息子さんの代で大きく飛躍したという例もあります。結果には時間というものがあるのです。よきも悪しきも、同様のことがそれぞれの人生に起きるのです。だからというのです。善因善果、悪因悪果は、よきも悪しきも孫子の代まで影響を及ぼすことは、現実が物語っています。

しかし、稲盛和夫氏は、個人も会社もそのような過去業から脱却し、人生を、会社を、豊かな成長とするために到達した哲学を「稲盛和夫の哲学」で述べているのです。その哲学・思想は、お釈迦様が説いた六波羅蜜です。このことを一貫して述べています。六波羅蜜の思想が、京セラフィロソフィに反映され、具体的な仕事の仕方にまで、言及しているのです。

六波羅蜜とは、「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智恵」の六つの行を言います。これが企業経営と何の関係があるのかいう人がいますが、少なくともこのことを知らずして人の上に立つべきでないと思います。稲盛氏が多くの書籍の中で、わかりやすく書いていますのでぜひ読んで下さい。

「布施」ということばは聞いたことがあると思います。お坊さんに法事の時などにおつつみすることのみが布施でありません。無財の七施と言って、身施(自分の体で人のために汗を流す)、心施(他人に対する思いやりをもって接する)、眼施(なごやかになるようなやさしいまなざしを捧げる)、和顔施(微笑みのある柔和な笑顔で接する)、言施(温かい言葉をかける)、牀座施(席を喜んで譲る)、房舎施(困っている人に一夜の宿を提供する)があるのですが、このような行為が会社の中でみんなが心がけるなら素晴らしい社内環境だと思いませんか。京セラという会社ができているかどうかを疑う前に、稲盛和夫氏が日本航空を再建するとき、無報酬の会長として尽力されたことは、メディアでも報道された周知の事実です。

「持戒」とは、人間は欲望のおもむくままに行動する傾向がありますので、悪に陥らないように、自由気ままな心をおさえることを言います。社会には法律があり、会社にも就業規則があります。人間社会がうまくいくように法律やルールをつくっているのです。上場会社も含めて、コンプライアンス(法令遵法)に欠けたために多くの会社が倒産を余儀なくされました。

「忍辱」とは、この世は生生流転、諸行無常です。時代は変化し、艱難辛苦がふりかかってきます。どんな時でも、じっと耐え忍んで次のチャンスの準備をする心構えが必要です。

「精進」とは、生きとし生けるものすべて精一杯生きているのです。怠けているのものはありせん。稲盛氏は、一所懸命働くこと、一生懸命働くことが精進すると言っています。社長が社員が一所懸命仕事に努力し工夫している会社のみが、市場や消費者つまり顧客から支持され、繁栄するのです。

「禅定」とは、座禅し、こころを静め、宇宙と一体になることです。経営者やリーダーの意思決定次第で会社の業績に反映します。ビジネスマンに必要な判断力や決断力を正常に養うために座禅・瞑想を朝晩お勧めします。

そして「智慧」です。先人に学び、宇宙の真理、人生の悟りの境地に至るのです。この智慧に到達した経営者こそ稲盛和夫氏であり、また多くの方がおられます。六波羅蜜という仏教の奥義を書きましたがキリスト教でも同様のことを言っているのです。運命は変えられるのです。もし今、逆境に立たされていたら、六波羅蜜を実践してみませんか。まずは生きているうちに智慧にいたる「行」をしようではありませんか。このことは仕事でも家庭でも活かされる考え方なのです。そして来世にいくときに、やり遂げたと思いながら行きたいし、神や仏にお会いしたときに善きことをしてきましたねと褒めてもらいたいと思いませんか。

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