昨日のカンブリア宮殿に、リブセンスを創業した26歳の村上太一社長が出ていましたが、かってのバブル時代のホリエモンをはじめとする、あの当時のベンチャービネスを提唱して出てきたギラギラした経営者とは全く違うタイプの人が出てきたなと感じました。あえていうなら世代は違うが、スティーブジョブスのタイプかもしれませんね。
彼は、中小零細企業が直面している人材の確保を、ユーザーの視点から解決してくれているなと思いました。リブセンスの経営理念は、「生きる意味」=「幸せになること」から「幸せから生まれる幸せ」だそうです。経営資源あるいは外的な、弱みを強みにする。常識的な強み、弱みからのとらわれ、思考を解きはなし、人のためになる経営をやっていくという発想ができるという点でジョブスに似ているなと思いました。ネットで会社HPを見て下さい。
9日の中野東禅先生の修証義講義の続きをお話しましょう。仏教は、非常に論理的な宗教で、あいまいなところがありません。それは今の現実の私たちの姿は、過去の原因によってつくらているからです。それを、因、縁、果で説明してくれるのが仏教です。因果を知らない、ご縁を否定することを「邪見」といいますが、邪見な人が多い世の中です。
修証義第四節で、心と行いのご縁を説き、第五節で、自己に責任を持つことを説いています。原文を書いてもわかりづらいでしょうから、現代訳文から抽出しますと、
「過去の縁を背負い未来に種蒔く現在の重い意味を覚らず、清らかさと汚れとを見分ける心の力を持たない間違った考え方の人々と仲間になってはいけません。根本的に言って、心と行為の理はハッキリとしていてごまかしようがないのです。」
「私自身の善や悪の行いとその影響力は、三つの時間差があります。一番は今の行為にすぐ反応が表れ、二番には行いの影響はしばらくして、あるいは次の時代に表れ、三番にははるか後に、忘れた頃表れます。これを行為の影響の三つの時間差というのです。」
だからこそ、第六節で、かけがいのない人生を選ぶことを説いているのです。
「それゆえに知るべきです。この人生の自分の命はたった一つで、かけがいがないのです。むやみに因果を否定する間違った教えに陥って、虚しく悪しき行為の影響に染まるべきではありません。惜しむべきです。過ちを作りながら、過ちでないと思い上り、汚れた行為の影響力を否定して、よこしまな考え方にこだわり、その間違った行為の影響力にそまるべきではありません。」
初めての「修証義」(四季社)より
わたし達の現実の生活、仕事など照らし合わせながら読むと、其の通りだと思いませんか。このことを知って仕事をする人は、良い結果も悪い結果も起きる前に対処できるのです。謙虚さを失った人たち、反省しない人たち、人のせいにする人たちがなんと多い世の中であろうか。しかし、村上太一社長のような若くして、真理を知って経営する人が出てきたことは、稲盛和夫氏などが仏教思想を根本に教授してきた盛和塾の影響もあるのかもしれません。稲盛和夫氏の活動に感謝を申しあげます。
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