今年も残すところ、一ヶ月を切りましたね。今年立てた目標の検証をしてみましょう。そうすると来年の目標が見えてきますよ。
わらしべ長者の話を知っていますか。一本のわらから人のためにすることで運が開けていく昔話です。わらしべ長者が、商売で成功し、息子に家督を譲ったと勝手に話を進めると、わらしべ長者の息子が、シンガーラ青年として、昨日の話の続きをしましょう。
釈尊 「シンガーラ青年よ、東・南・西・北・下・上の六方向を守り、六方向から守られるとはどういうことかわかるかな。東の方を礼拝するとは、両親、父母に対してするのじゃ。」
青年 「小さいころから父母を尊敬しています。」
釈尊 「東方を拝むとは、親を敬い、子を愛することでじゃ。それには五っつの仕方で親を敬いなさい。一つは産み育ててもらったのだから父母の老後を見守ってあげなさい。二つ目は、必要に応じて子のなすべきことを親にしてあげなさい。三つ目は、家庭を守りなさい。四つめは、父母からの財産と家訓を正しく相続しなさい。五つ目は、お父さんお母さんが亡くなったら、貧しい人たちに施しをし、其の徳を故人への手向けとしなさい。そしてあの世を飾ってあげるのじゃ。」
青年 「先生、よくわかりました。子供に対してはどのうようにすればよいのでしょうか。」
釈尊 「親は、五つの仕方で、子供を愛しなさい。一つ目は子供が悪へ向かうのを止めなさい。二つ目は、善を教え、導きなさい。三つ目は、学問の機会を与え、知識や教養を身につけさせなさい。四つ目は、いい時期に結婚させなさい。そして五つ目は、ちょうど良い時期に子供に家督を譲り、相続させることじゃ。お前がわらしべ長者からしてもらったように子供に任せるのじゃ。」
釈尊 「このように親と子が敬愛しあう家族は、孫子の代、いや、とわに家は栄えることができるのじゃ。わかったかな。」
中野東禅先生の「ブッダの肉声に生き方を問う」(小学館新書)から引用し、口語訳しました。
まず、すべての中心は、親子関係ではないでしょうか。子供を育てて行くときに、親のあるべき姿をみせ、行動し、子供に親を敬うことを教え、子供を愛情を持って接し、育てればかならず、立派な大人になり、世の中のために尽くす人となることができるでしょう。
人間界のみならず、自然界のおける動物たちもそのようにしているのです。日田市には九州最大の河川である筑後川上流の三隈川があります。冬が近づくと、何百羽もの鴨たちがおとづれています。ここで子供を産み、その子供たちが、父母の愛で育ち、また来年の冬も訪れるのです。
三隈川の鴨の風景
それでは、話を続きをしましょう。
青年 「南の方を拝むのはどの様な意味でしょうか。」
釈尊 「それは、先生を尊敬し、生徒を尊重することじゃ。」
釈尊 「生徒は、五ッつの仕方で先生に接するのじゃ。先生が来たら立ってお迎えしなさい。次に、先生と食事をするときは、生徒がお給仕をするのじゃ。三つ目は、先生を尊敬し、信頼して従いなさい。四つ目は、必要に応じて先生のお世話をしなさい。最後に謹んで学びなさい。」
青年 「よくわかりました。もし私が先生になったらどう生徒に接するべきでしょうか。」
釈尊 「先生は、次の五つの仕方で生徒に教えるのじゃ。まずは、人間としての教養を教えなさい。次に、自分が学んだことをきちんと教えなさい。三つ目は、生徒から質問されたら、わかるまで正しく教えなさい。四つ目は、よい先生を紹介してあげなさい。最後に、勉強のみならず、生活面に至るまで、生徒を指導し、保護してあげなさい。シンガーラよ、続きは明日、話してあげよう。」
青年 「先生、ありがとうございます。」
釈尊は、親子の関係、先生と生徒の関係を二千五百年前に解き明かしていたのです。この意味を理解して、親や先生が、東を礼拝し、南を礼拝するようになったら、いじめなどおきないし、すぐに解決されるのではないでしょうか。現代社会はこのような考え方や行為が欠落しているところに悲劇が生まれているのです。まずは、あなたから始めてください。
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