2014年1月6日月曜日

日本人の宗教観Ⅱ

 おはようございます。
先日は神道を中心に考察してみましたが、日本ほど高度に発達した国は類を見ないのではないでしょうか。その根底に日本教があると思っています。この日本人の宗教を支えるものが、神道であり仏教なのです。

神道もいわゆる村々にある神社にこそ原点がある古神道(いにしえから、神様と日本人の生き方)だと思います。さらに老荘思想も取り込みながら、特に最澄と空海によって仏教のすそ野が広がり、鎌倉時代にいわゆる日本仏教の宗教改革が起き、法然や親鸞、道元、日蓮などが旗上し、日本仏教ができたのです。

高塚愛宕地蔵尊(大分県日田市天瀬町)

最近、上座仏教の方が来られて釈尊の教えに忠実なのは、いわゆる自分たちであると言っていますが、日本人にそんな原理主義的なことを言っても、潮流にはなりえないと思います。日本の歴史の中で、もがき苦しみながら風雪に耐えてきた日本仏教こそ、日本人にふさわしい仏教であり、宗教であるからです。それを日本教となずけているわけです。

日本の四季おりおり自然のなかから、命が生まれ、神道が生まれてきたからこそ、最澄や空海が「山川草木悉有仏性」と言ったとき、仏教が民衆のなかに溶け込んでいったのです。それをアミニズムと、キリスト教徒が批判しようが日本人には関係ないのです。

聖書の中に自然や動物のことが出てこないのはむしろあなた達こそ本当に聖書がかいているように生きものを管理し、保護する権利や智恵をお持ちかどうかききたいと思うのであります。イスラム教徒やキリスト教徒が世界史のなかで、殺戮を繰り返すのはなぜかと問いたいと思います。

大分県日田市天瀬町の「桜滝」(1月5日撮影)

話しは脱線しましたが、聖徳太子をはじめ、日本人の謙虚な生き方の中に、仏教が自然に受け入れられてきたのは、仏教学者が言うような難しい「空」の理論ではなく、六波羅蜜の実践行にあると思っています。六波羅蜜とは、ウキペディアには次のように書いています。

『六波羅蜜(ろくはらみつ、ろっぱらみつ)とは、甚深法界の六つの彼岸行のこと。「六度(ろくど)彼岸」とも呼ばれる。
  1. 布施波羅蜜 - 檀那(だんな、Dāna ダーナ)は、分け与えること。dānaという単語は英語のdonation、givingに相当する。具体的には、財施(喜捨を行なう)・無畏施・法施(仏法について教える)などの布施である。檀と略す場合もある。
  2. 持戒波羅蜜 - 尸羅(しら、Śīla シーラ)は、戒律を守ること。尸は屍に通じる。在家の場合は五戒(もしくは八戒)を、出家の場合はに規定された禁戒を守ることを指す。
  3. 忍辱波羅蜜 - 羼提(せんだい、Kṣānti' クシャーンティ)は、耐え忍ぶこと[2]
  4. 精進波羅蜜 - 毘梨耶(びりや、Vīrya ヴィーリヤ)は、努力すること
  5. 禅定波羅蜜 - 禅那(ぜんな、Dhyāna ディヤーナ)は、特定の対象に心を集中して、散乱する心を安定させること
  6. 智慧波羅蜜 - 般若(はんにゃ、prajñā プラジュニャー)は、諸法に通達する智と断惑証理する慧。前五波羅蜜は、この般若波羅蜜を成就するための手段であるとともに、般若波羅蜜による調御によって成就される。』 
京セラ名誉会長であり、盛和塾塾長の稲盛和夫氏は、ことあるごとに何度も何度も、六波羅蜜を盛和塾五千余名の塾生にお話しされてきました。これこそ、世界最強の成功哲学であり、行動指針であると思いますが、どれほどの政治家や経営者や僧侶の方々(いわゆるリーダーたる者)がこの真理を理解し、実践しているでしょうか。

布施はできる限りのことで結構ですが、自然保護や被災者支援などのボランティア団体などに寄付をすることもできます。持戒は他人に嘘をつくなとか、盗むなとか、そして生きとし生けるものを殺すななどの基本的に守らなければならないことです。忍辱は人生には辛いこと、苦しいことや悲しいことがたくさんありますが、自暴自棄にならずに耐え忍ぶのです。精進は、何事にも創意工夫し努力するのです。禅定は、人の心はうつろやすいものですが、毎日静かに座って心を調えましょう。すうすれは、神仏の智慧が与えられるのです。

日本人はこのようにして、努力して、生活し、先祖を崇拝し、神仏を拝み、人生を全うしてきたのです。これが二千年も続いている国は日本しかないのです。私達は、日本人としての誇りを持ちつつ、他国の宗教や思想も認め、世界の平和と発展のために協力しようではありませんか。

私たちの宗教や思想が素晴らしいと思っても、これを世界に布教しようとか、他国の人に押し付けてはなりません。なぜなら日本教は日本人の民族宗教であるからです。今年のお正月に近くの神社仏閣に初詣してきましたが、現代の日本人には「祈り」が足りないと思いました。次回は祈りおよび祈り方について考察してみたいと思います。

それでは皆さん、ほとんどの方が仕事始めだと思いますので、皆様のお仕事が世のため、人のためになりますように、皆様の事業が大きく成長発展しますように、皆様が豊かになりますようにご祈念申し上げます。南~無 合掌 徳温禅月。




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