2014年5月9日金曜日

「図解 早やわかり!道元と曹洞宗」5章~正三と良寛~

 おはようございます。
道元さんが切り開いた「只管打座」の座禅は、瑩山さんへと受け継がれていくのですが、この時期に、曹洞宗は大きく発展するのです。ひとつには、真言や陀羅尼も取り入れ、民衆の期待に添うようになったのも一因でしょう。

民衆を救えない宗教なら、戯言ににすぎないと思っているのですが、私の好きな禅僧に鈴木正三さんがいます。三河生まれで徳川幕府の旗本で、関ヶ原の戦いなどで功績をあげるのですが、42歳で出家。この時代は、旗本が出家するのは、切腹ですが、二代将軍秀忠はこれを許し、隠居となります。

山本七平さんが、「「勤勉の思想」(PHP文庫)などに取りあげていて知ったのですが、「日用徳目」などを書いて、いわゆる勤労精神を醸成したのですが、キリスト教でいう「プロテスタンティズムと資本主義」に匹敵する偉大な思想家だと思っています。


鈴木正三さんは、「仁王禅」を提唱し、「喝」を入れたのです。九州天草の乱後、疲弊した天草を再興するために代官になった弟さんと尽力し、幕府に年貢の半減を直状し、弟さんは切腹になりますが、その息子がまた代官になり、その意思を果たします。ですから天草には鈴木神社が建立されています。

正三さんはこの時代に、在家仏教を主張し、僧侶は生きた宗教活動をしていないと仏教界を批判しました。またキリスト教が邪宗だとの論を発表したのです。偉大なる宗教改革者の一人だと思うのです。

次になぜか、ひかれるのが良寛さんですね。良寛さんは、特別な大僧侶でもないのに、今もなお国民から慕われるのは、世情に迎合しないその生き方にあるのではないないでしょうか。1992年のバブル崩壊後、中野孝次先生が「清貧の思想」のなかで取り上げ、大愚良寛さんの清貧なる生き方に共感を持たれたのです。

「世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞわれにまされる」ー「良寛~日本人のこころの言葉」 中野東禅著 創元社

「図解 早わかり!道元と曹洞宗」の感想を書いてきましたが、読みたくなったでしょう。早く本屋さんに頼まないとなくなりますよ。本の買い方ですが、これはいいなと思ったら、読む読まないは別にして買っておかないと手に入らなくなります。買っておけばいつでも読めるです。

週末が近づいています。たまには静かに座るのもいいですよ。それでは皆様のご健康を祈りつつ・・・南~無 合掌 徳温禅月。





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