おはようございます。
五月、皐月(さつき)を迎えましたね。山は緑から碧く生い茂り、夏の訪れを告げてくれます。田畑にはレンゲがうめつくされ、小鳥がさえずっています。山河はせせらぎを奏でてくれます。
さて、道元さんは、三歳で父を亡くし、八歳で母をも亡くします。九歳で仏教書を読み、十三歳で出家します。人は、父や母や兄弟の死と向き合う時、どう生きるかが問われると思います。道元さんもしかりではないでしょうか。
比叡山に入り、修行の日々を過ごしますが、大きな命題がありました。「本来本仏性 天然自性身ー人間は生まれながら仏性をそなえ、人間も自然もすべては仏が姿をかえたものである」と大乗仏教は説きますが道元さんは「人間は生まれながらに仏であるなら、なぜ、仏になるための修行をしなけれならないのか」という疑問を抱いたのです。
人は、過酷な修行をしたから、仏性が現れるのものではないことをお釈迦様は悟り、菩提樹の下で静かに座禅したのです。つまり本来備わっている仏性は、静かに座禅することによって、あらわれると言えると思います。
中国に渡り、如浄禅師に師事し、「身心脱落」の悟りに至るのですが、如浄禅師もまた、「道元が稀に見る大器であり、正法(お釈迦様の正しい教えを継ぐにふさわしい人物であることを見抜いたのです。」
現代の人で、人を見抜く力を持っている経営者は稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)ですね。経営者や政治家は座禅をしないと人を見分ける力はつかない。就活をされている方々は、その会社の社長が何をしているかみれば、その会社の将来性がおのずとわかってくると思います。
道元さんが書いた「普勧座禅儀」の内容をこの本の65Pに書いてあるので、ぜひ買って読んで下さい。つまり「日常生活そのものが禅である」ということです。そして「難しい学問の必要はありません。心から仏にあこがれ、ひたすら仏を求めたとき、すでにあんたの仏心は働いている」と。
それでは5月が希望に満ちた月でありますようにお祈りしつつ 南~無 合掌 徳温禅月。
参考図書 「図解 早わかり!道元と曹洞宗」 中野東禅監修 知的生き方文庫 590円(税別)
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