おはようございます。
いよいよ17日から東京国際仏教塾の専門課程曹洞宗コースが始まりました。講師は、中野東禅先生(曹洞宗総合研究センター教科研修部門講師)です。たくさんの著書がありますが、仏教や座禅への入門書として、初心者には「心が大きくなる座禅のすすめ」や「人生の問題がすっと解決する名僧の一言」を読むことをお薦めします。
17日は午前中に曹洞宗コースの説明があり、朝課・読経の指導から始まりました。専門課程の論文は、宗義と宗史が課題ですが、卒業時に、「般若心経」の読経試験があります。朝課では、「曹洞宗日課勤行聖典」を使いますが、お坊さんたちが使っているもので重たいです。持ち方もありますのでまずは作法を学ぶことが大事だなと思いました。
千葉県稲毛の光明寺内での講義風景
午後から「般若心経」の講義が2回ありました。「般若心経」がお釈迦様が説いた永遠の過去から永遠の未来の真理である縁起と空を凝縮したお経ですので、インド仏教史から日本仏教史の講義が初めにありました。
人類の歴史が始まり、インダス文明のなかで、お釈迦様が紀元前500年前に生まれ、宇宙の真理を説き証し、人々に生きる道を教えたのです。紀元前300年のアレキサンダー大王のインドへの進出がありましたから当時のインドは、すでにギリシャ文化との交流があり、相互に影響していたようです。
先生の仏教史の講義を聴いていて、キリスト教は、イエス様が3年余りの布教でしたので新約聖書に収まりますが、お釈迦様は45年余りも説教してきましたから、膨大な経典になるとのことが納得できました。戦後アジャンタなどの仏教の石窟寺院が発見され、またイスラエルでもクムラン洞窟でキリスト教の死海文書が発見されたことは驚異です。2000年の歴史が過ぎてもこのような発見がまだまだ出てきそうで、真実がますます明らかになるのと思うと、ワクワクしてきます。
鳩摩羅什や玄奘がいのちがけで、お釈迦様の涅槃後、インドで編纂された仏典を、天山山脈を越えて持ち帰り、漢訳し、日本にもたらしたからこそ今日の日本仏教があることを思うと、この壮大なアジアと歴史が頭の中をかけめぐってきます。玄奘こそ三蔵法師は、「般若心経」をいつも口ずさみながら、旅をつづけ、それで災難から守られたいたようですが、先生も話していましたが、「西遊記」のドラマの中の、三蔵法師役の夏目雅子さんを思い出します。
日本に仏教が伝来して、奈良仏教といわれるのですが、心の縁起をといた唯識思想が入ってきていたのです、実はこれがユングが説いた潜在意識を言っているのですが、当のユングも東洋では紀元前後にすでに心を論理的に説いていたことにびっくりしたそうです。そして東大寺に見られる宇宙の縁起である華厳経があり、また平安時代にはいり、共に唐に渡り、学び、比叡山に天台宗を開いた最澄さんと高野山に真言宗を開いた空海さんの二大巨頭へと続くのです。
それから、鎌倉時代に、現代に続く、法然さんの浄土教、親鸞さんの浄土真宗、日蓮さんの日蓮宗、そして栄西さんの臨済宗と道元さんの曹洞宗が禅を確立するのです。先生から現在の新宗教のお話がありましたが、多額の献金を要求したり、洗脳するカルト的な集団もあるので、気をつけるようにとのことでした。お悩みの方は、お近くの寺院か、私が主宰している別府総合研究所へお尋ね下さい。明日は、「般若心経」の講義について書きます。
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