2013年11月20日水曜日

終活~島倉千代子さんの遺言~

 おはようございます。
島倉千代子さんが亡くなり、早や初七日も過ぎ、二七日を迎えようとしています。時が経つにつれ、歌い手としての素晴らしさと、彼女の歩んだ人生の苦悩を感じざるを得ません。しかし、みごとなまでに、「終活」をされていたので、感心しました。

お墓も用意され、ご葬儀のことも託していたそうです。島倉千代子さんの「終活」は、66歳に書いた「島倉家 これが私の遺言」(文芸社)から始まったのではないでしょうか。この本こそ今でいえば「エンディングノート」で、遺言という言葉がありますが、自分の人生を振り返り、歌と一緒にこの本を残しておきたかったのでしょう。


島倉千代子さんのいばらの道は、彼女にしかわからないのですが、この本から伝わって来るのはそのいばらの道をもがきながら、人間としての生、歌い手として貫いた人生に拍手を贈りたいと思うのは私だけではないでしょう。

大事なことは、いつも人にこころづかいをし、人に迷惑をかけないように終活を成し遂げたという人生の生き方と死に方を示した良き先輩でもあるのです。老若男女を問わず知っている曲が「人生いろいろ」のなかにそれぞれの人生が投影されているのではにでしょうか。しかしこの曲が明るいので、この曲を歌って人生に希望を見出した人は数えきれないと思います。

「人生いろいろ」(昭和63年第30回日本レコード大賞優秀歌唱賞受賞曲)

中山大三郎作詞 浜口庫之助作曲 竜崎孝路編曲

「死んでしまおうなんて 悩んだりしたわ
バラもコスモスたちも 枯れておしまいと
髪をみじかくしたり つよく小指をかんだり
自分ばかりを責めて 泣いてすごしたわ
ねぇおかしいでしょ若いころ
ねぇ滑稽でしょ若いころ
笑いばなしに涙がいっぱい
涙の中に若さがいっぱい
人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの

恋は突然くるわ 別れもそうね
そしてこころを乱し 神に祈るのよ
どんな大事な恋も 軽いあそびでも
一度なくしてわかる 胸のときめきよ
いまかがやくのよ私たち
いまとびたつのよ私たち
笑いばなしに希望がいっぱい
希望の中に若さがいっぱい

人生いろいろ 男もいろいろ
女だっていろいろ 咲き乱れるの
・・・・・・・・」

この歌詞の「髪をみじかくしたり、つよく小指をかんだり」は島倉さんが中山先生に変えてもらったそうです。女心がよくでていますね。島倉千代子さんのファンのみならず、「島倉家 これが私の遺言」(文芸社)を読みながら、彼女の歌を聴くとまた違った味がするかもしれません。忘年会の季節になりましたので、彼女の歌をたくさんカラオケで歌ってください。

「おわりに~私の遺言~
人間の命って、なんて儚いものでしょう。何年続くかわからない命の時計。生きたくて生き続けられない人もいれば、もっと生きられるのに、自ら命を絶ってしまう人もいます。そう考えると、六十六年間生きてこられた自分の命は、奇跡に近いものだと思います。私は、この奇跡ともいえる命を大切にするという意味から、私の命を次世代につなげていかなえければならないと思いました。
・・・・・・」(「島倉家 わたしの遺言」より)

島倉千代子さん、ありがとうございました。安らかにごゆっくりお休みください。ご冥福をお祈りします。 合掌 徳温禅月。





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