2013年7月16日火曜日

健康哲学ー「養生訓」を読んでⅠ

 おはようございます。
誰しも健康でありたいと思っています。しかし若くて健康な時に、美食や美酒にいそしみ、気づいたときには、生活習慣病という名前をつけられ、具体的には高血圧、高脂血症、糖尿病と言われた人は、日本国内だけでも数千万いるでしょう。

そういう私も高血圧、高脂血症で薬を10年ほど前から服用しています。どうしてこのようになったのかと振り返ると、仕事優先で、早飯、大食い、深夜まで飲む、タバコは吸い、スナック菓子を食べるなどの食生活をしてきたわけです。

気づいたら、50代の健康診断で、生活習慣病ですよと言われ、食生活を是正するが時遅しと言うのが、普通だと思うのですが、若いときから養生つまり健康に留意していれば、こんなことにはならないと反省しています。それで若い人に早く気づいて欲しいし、団塊世代もまだ間に合うと思います。

50代から仏教を学ぶにつれ、健康を害しているのは、煩悩=欲望にあるなとつくづく思いました。お釈迦様は、煩悩の根源は、「貧、愼、痴」の三毒にあると言われました。つまり「貪りの心」「怒(愼)りの心」「愚痴の心」の三つを人間をいちばん苦しめる毒薬という意味で「三毒」と言うそうです。
                  

只々、むさぼり食う。満腹になるまで食べる。最近は食べてダイエットなどという本まで出ている。 そしてキレると言って、人や社会のせいにして怒る。すぐ暴力をふるう。耐え忍ぶ術を知らない。さらに、愚かである。思い通りになるとおもっているし、我がままなのであります。そして愚痴ばかり言う。そういう人は、癌という字にあるように、口が山ほどあると書いてあるとおり癌になる。だから病気の原因は「貧、愼、痴」の三毒によるのです。

健康哲学ー養生の第一番目は、三毒をなくす努力をしなけらばならないと思います。今から、300年ほど前の儒学者であった貝原益軒さんとう人が「養生訓」という本を書き、世に出したのです。彼は当時の寿命では長い85歳でその生涯を閉じるのですが、私たち現代人に今もなお、警鐘を鳴らし続けている一人だと思います。

貝原益軒さんが何を言ったのか、江戸時代のベストセラー「養生訓」にスポットを当てながら、皆さんと健康とは何かを健康哲学シリーズで考えてみたいと思います。

「人の身は父母を本とし、天地を初めとす。天地父母のめぐみをうけて生れ、又養われたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天年を長くたもつべし。」

人のいのちは授かりもので、天地創造以来、多くの祖先を通して、いのちがあることを言っています。漢学者であった廣瀬淡窓先生も同様のことを言っています。聖書では肉体は神の器であって、人間のものではないとも言っています。

自分の身体を大事にできない人が、どうして人のいのちやこころに思いやることとができましょうか。そして自分の身体も自分だけのものではないことを現代人は知るべきではないでしょうか。美魔女とか言って、宣伝に踊らされ健康食品や化粧品を買う前に、古典に触れ、考え方を変えるべきではないでしょうか。ーつづくー

参考図書 「養生訓に学ぶ」立川昭二著(PHP新書)、「自由訳・養生訓」工藤美代子訳(洋泉社新書)



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