2013年7月18日木曜日

健康哲学ー「養生訓」を読んでⅢ-色欲について

 おはようございます。
人間の大欲には、食欲と性欲であります。貝原益軒さんは、食欲は腹八分にすべしと言っています。性欲についてどう言っているのでしょうか。最近、週刊誌が60歳以上の方の性を取り上げていますが、売り上げを伸ばそうとする意図に騙されて、洗脳されないようにしないと、「いのち」を縮めることになりかねないと思います。

仏教では、五戒律のなかに「不邪淫」ということばがありますが、読んで字のごとく、淫らな行いをするなと言う意味ですが、それは倫理・道徳的な意味だけではなく、「いのち」にいたることですよと意味も含まれているのではないかと思っています。


それでは貝原益軒さんは、「養生訓」のなかでどのように言っているのでしょうか。

「又、わかき時より色欲を慎み、精気を惜しむべし。精気を多くついやせば、下部の気よはくなり、元気の根本たへて必ず命短し。」

「年若き時より、男女の欲ふかくして、精気を多くへらしたる人は、生れ付きさかんなれ共、下部の元気すくなくなり、五臓の根本よはくして、必ず短命なり。つつしむべし。飲食男女は人の大欲なり。」

自由訳・養生訓(洋泉社)には、「接して漏らさずというは技が、閨房における一番賢いやり方だということだと言うことを覚えておいてください。古来より言われていることですが、「房中補益」(閨房でやくだつこと)という説があります。それは、年齢が増すと血気が衰えるので、精気を無駄に発射しないで交接(セックス)をする技術を磨けということです。」と訳者の工藤美代子さんは訳しています。

できちゃった婚の悲劇(非常に離婚率が高い)は男が我慢性がなく、簡単に膣内射精をするからです。むかしは、女性のことを心配して、決してそのようなことはせず、婚姻してから、妊娠し子供を産んでいたのですが、今の男は責任感が全くない。

精気を漏らさないようにしないと、いのちを縮めていくのです。「性欲を慎まなかった結果、腎が弱って、薬や食で補っても効果がありません。50歳を過ぎたら、とりわけ精気を保存して減らさぬよう心がけたいものです。栄養剤のような薬では手遅れなのです。」

その通りだと思いませんか。そして、セックスの回数について、「20歳の人は、4日にひとたび漏らす。30歳の人は8日にひとたび漏らす。40歳の人は16日にひとたび漏らす。50歳の人は20日にひとたび漏らす。60歳の人は交接をやめて漏らさず。ただし体力があって盛んな人は一ヶ月にひとたび漏らしてもよい。・・・あとは欲を抑えれば、きっと長生きできるでしょう。」と書いています。


貝原益軒さんは自らの経験に基づいて、話をしているわけですが、貝原益軒さんは、若いときは色町で遊び、38歳の時に16歳のお嫁さんをもらい、85歳まで長生きしています。今でいえば100歳くらいかな。

長生きして、人生を謳歌したいなら、やはり食欲や性欲を抑える術を知っていないと、現代社会は、商業主義で、どんな薬でも売ろうとします。男性にとっての性について、書いていますが、自然界をみても、カマキリは受精したらそのオスを食べてしまうし、人間界でも明らかに女性の方が長命です。

貝原益軒さんの「養生訓」をまさに座右の書にして、無駄に精を漏らさないようにして、元気で長生きして、年をとっても夫婦仲良くできる関係こそ、人間の道理ではないでしょうか。「自由訳・養生訓」(洋泉社新書・工藤美代子訳)は読みやすいのぜひ購入して読んで見てください。くだらぬ週刊誌を読むより、古典を読むべし。

もうひとこと、つけくわえておきますと、毎晩、ステーキを食べて元気がいいなどとTVで取り上げていいますが、それならアメリカ人は長生きしているでしょうが、日本人より短命で、すこし長生きしているのは富裕層のベジタリアンなのです。私は肉食をすべて否定しませんが、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

肉を食べればその時は、元気がでますが、それは野獣になっているからで、今怖いのは肉食女子かもしれませんね。怖い、怖い。皆さん、「食」と「性」についてもっと勉強しようではありませんか。





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