おはようございます。
「水五則」の第三則は、「障害にあっても、激しくその勢力を百倍にし得るは、水なり。」です。この言葉を聞くと、昨年の北部九州大水害を思い出し、トラウマになっているかなと思っています。大分県日田市では夜半から降り出した雨が、滝のように長時間降り続き、朝方花月川が堤防を越え、私も母と姉を実家に残していますので向いましたが、茶色に濁った激流を見ると恐ろしくなりました。
2年前に、近畿地方を襲った洪水が、日本国中どこでも起きるよと友人に話したばかりでしたので、いざ自分がその局面にたたされ、被災者になると恐怖と不安におののくのです。洪水の発生は、前々から、温暖化による異常気象がもたらしているものなのです。
一昨日、東京都内でも一時間100ミリの豪雨となりましたが、地下などへの安全対策を早く講じていないと、都民の生命にかかわることだと思います。TVを見ていて思うのですが、人のいい顔をした天気予報士のおじさんたちが、ニコニコ笑いながら予報していますが、本当にこの人達は恐ろしさをわかっているのかな、この人達を信用していのちを守れるかなと思うのは私だけでしょうか。
東日本大震災と大津波、福島原発事故、北部九州大水害、今も各地につづく自然災害を見るにつけ、大自然に畏敬の念を送ると同時に、私は、神仏に毎日、亡くなった方のご冥福と災難を取り去ってくださいと祈っています。結局、その場にいない人は何もわからないのです。
さて、話を「水五則」に戻すと、水はその勢力を百倍にして、根こそぎ障害物を打ちこわし、流し去っていくのです。私たちの人生には、困難がいつもあります。ましてや目標を設定して計画を実行していくとき、大きな障害が立ちはだかるのです。
この第三則は、その障害が現れたとき、100倍、1,000倍の努力して、その障害を乗り越える努力をしなければならいと言っているのです。アスリートたちをみよ!1日も欠かすことなく練習しています。
成功している会社を見よ!経営者を筆頭にして、全社員が製品づくりに、サービスに邁進しているのです。注目されている自治体を見よ!公務員根性をかなぐりすてて、日々行政に勤めているのです。
人生には、その人が乗り越えられる逆境が与えられていると思えば、どんな逆境にも耐え、努力することができるのです。
松原泰道先生は「人徳の研究ー「水五則」に学ぶ人間の在り方ー」祥伝社のなかで、
「鎌倉時代に浄土真宗を開いた親鸞は、「氷多きに水多し、障り多きに徳多し」と和讃に唱えています。「水」も「障り」も、ともに仏教徒にとって障害となる「煩悩」を指しています。氷は個体ですが、溶けると液体の水になります。したがって氷の量が多ければ多いほど、正比例して氷の溶けた水の量も多くなる道理です。・・・親鸞が煩悩と仏との徳を水になぞらえて、氷と水を例として和讃に読んでいるのも興味深いものです。」
人生は煩悩が逆境を生み出しますが、それを乗り越えるとき、人徳は身についてくるのです。だから体験しなければわからないし、絵空事では成長しないのです。
「何という 足れるすがたぞ 山も湖も はた生(お)ふる木も おのずからゆえ」 九条武子
「古人曰く、 径寸十枚、是れ国の宝に非ず。一隅を照らす、此れ則ち国の宝なり」 最澄
この歌をかみしめながら、いま与えられて困難、障害に立ち向かっていきたいと思います。明日またお会いしましょう。乞うご期待。
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