昨日、性についてかきましたが、性にも関係しているのが「氣」です。気という字を使いますが、「気がいった」「いく、いく」とか言いますが、まさに性において、気を使っているわけです。貝原益軒さんは、「人の身は、気を以て生の源、命の主とす」と言っています。
それほど大事な「氣」とは何なのでしょうか。北里大学名誉教授の立川昭二先生の「養生訓に学ぶ」(PHP新書)を参考にしながら、気について貝原益軒はなんと言っているのかを学んでいきましょう。
『身とおなじように、「気」のついた日本語も無数にある。身近なものから言うと、「空気、天気、大気、気象、電気」、そして「気持ち、気分、病気、元気、気力、陽気、活気、気心、気質、気風、勇気、気品、人気、色気、気配、気配、やる気、気晴らし、気さく・・・・。」日常的によく使われる言い方では「気をつけて、気づく、気がする、気がある、気が合う、気にしない、気が多い、気が短い、気が重い、気に入る、気を落とす、気が強い、気が散る、気がきく、気が変わる」などなど、それこそ「気が遠くなる」ほどたくさんある。このように気の入った熟語や慣用語がたくさんあると言ううことは、日本人のメンタリティに気という考え方が今も深く生きていることを物語る』と立川さんが書いていますが、考えてみると気を使った言葉は、たくさんありますよね。
貝原益軒さんは、「養生の術はまず心気を養うべし、心をやわらかにし、気をたいらにし、いかりと慾とをおさえ、うれひ、思ひ、をすくなくし、こころをくるしめず、気をそこなはず。これ心気を養う要道なり。」と言っています。
そのためには、座禅をすることです。座禅をすれば、静寂なこころへといざなうことができます。そして、体内の邪気をはき出し、自然の大気を、深く、静かに、吸い込むのです。日常生活の中で呼吸を意識せずにしていますが、それは息をしているだけです。
半跏趺座でチンムドラの手印を組んでいます。
貝原益軒さんは、「養生訓」で導引や湯治についてもくわしく書いています。私が提唱している温泉禅は導引、呼吸、湯治をすべて含んでいます、まず体を湯のなかで、さすって、ほぐしていきます。温泉禅は、長湯はしません。お湯のなかで、胡坐に足を組み、手は安定させるために、両手を膝の上に置き、チンムドラの手印をし、温泉の気をゆっくりと吸い込みます。意識は丹田に集中するのです。一回5分程度で、3回繰り返します。
日田市天ヶ瀬町旅館天龍荘まえの共同露天風呂「益次郎の湯」です。大村益次郎さんが愛した湯です。手前にあるのが「わんこの湯」です。
氣とは宇宙のエネルギーで、自然界に遍満してものなのです。この氣を意識して取り込まないと、くたびれて、病にかかったり、終いには死に至るのです。ですから「いきをひきとる」を言うのです。ビジネスマンの諸君も、常日頃から呼吸法を取り入れ、氣を吸収する術を心得ていれば、商談で落ち着いて、自分のペースで仕事を進めることができます。あなたが気が弱いのは、相手に気を取られているからです。
中村天風先生の「天風会の修錬会」や、合氣道の藤平光一先生の「心身統一合氣道会」に参加するのもよし。それができない人は、中野東禅先生の「心が大きくなる座禅のすすめ」(知的生き方文庫)を読んで実践すれば、健康な生活を送ることができます。
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